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皆さん、おはようございます。
今週は何度も会見におつき合いいただきまして、ありがとうございます。
今日はいくつかの点について、お話を申し上げたいと思います。
まずは、地方自治体で初めてのPOファイナンスの導入についてであります。
この4月1日から、市が発注する委託業務の一部や中小企業の設備投資に必要な経費の一部に対して支給する中小企業支援事業補助金について、事業者の資金繰りを円滑にする仕組みであるPOファイナンスを試行的に導入することといたしました。
POファイナンスでありますが、Purchase Order Financeということで、これまでに担保にならなかった受注時点での受注債権担保融資を可能にする、新たなサービスのことであります。したがって、このPOファイナンスは、岡山市から事業者への補助金や委託料の支払いに関する債権を電子記録債権化し、補助金を交付される事業者や委託業務の受託事業者が、この電子記録債権を金融機関に担保として譲渡することで金融機関からつなぎ融資を受けやすくする、早期に受けられる、そういう仕組みであります。
このファイナンスは、経済産業省が所管するものづくり補助金で導入はされておりますが、地方自治体では導入するところはなく、岡山市が自治体としては初めてとなります。なお、自治体として初めて導入することになりますから、総務省のほうにも確認を求めておりました。総務省側も導入に異論はないという判断をしていただいたところでございます。
この一番のポイントですが、資金調達の時期の前倒しが期待できるというところに最も大きなメリットがあります。通常は補助対象事業や委託業務等の完了検査後に補助金や委託料が支払われるため、事業者はそういった事業の実施のために資金繰りに苦労することもございました。しかし、POファイナンスを利用すれば、岡山市からの補助金交付確定通知等を根拠に当該債権を電子記録債権化し、融資の担保とすることができるため、資金調達の時期の前倒しが期待できることになります。
この導入範囲ですが、来年度の施行結果を踏まえて、課題や事務手続を整理し、導入対象の拡大など本格的な運用を始めていきたいと思います。対象とするものは、建設コンサルタントの委託業務。これは、平成30年度実績では400件、約30億円、また中小企業支援事業補助金、これは平成30年度実績で9件、2,300万円であります。
このファイナンスの仕組みにおいて、金融機関が岡山市からの補助金等、支払いの電子債権を担保に取り、事業者に融資していただく必要があります。したがって、この中小企業、またスタートアップ企業の資金調達においては、地域に根差した金融機関の果たす役割が多いため、岡山市内に本店を置く金融機関にもPOファイナンスの参加を打診したところ、中国銀行が参加していただけることになりました。
中銀とは、地方創生の諸課題に具体的に取り組み、地域活力の増進、地域経済の活性化に寄与することを目的に包括協定を締結しており、このたびのPOファイナンスの導入は包括協定の連携事項の一つである中小企業等の支援にあたるものであります。これからどんどん生まれてくる新しい技術や仕組みをしっかりと研究し、それを取り入れてみるようなチャレンジも重要だと考えております。今回は地場の金融機関と連携して、POファイナンスの導入により、地場企業、特に中小企業やスタートアップ企業などの資金繰り改善に資することを期待しております。
これは大分時間がかかったんですけども、コロナウイルスの関係は全く想定しておりませんでしたけども、現在のように新型コロナウイルスの感染がいろいろ言われているときには、特に資金繰りが中小企業は大変になっているのではないかなと思います。そういう面でもいっそうの効果があるのではないかと期待しております。
造山古墳を構成文化財の一つとする日本遺産「桃太郎伝説」や造山古墳周辺の観光施設の情報を提供して魅力を発信することにより、吉備路観光及び広域周遊観光の振興を図ることを目的に整備した岡山市造山古墳ビジターセンターがこの4月1日にオープンします。
施設概要については別添資料のとおりでございますが、この古墳は350メーターという日本で4番目の大きな古墳であります。天皇御陵を除いては最大の大きさになるわけでございますが、そういうことで毎年7,000人を超える小学校の児童が校外で来訪しており、その際にボランティアガイドの説明が屋外でしかできない状況であったことから、造山古墳の歴史的な背景または文化財の理解にボランティアガイドの力を発揮していただくことのできる環境を整備するとともに、しっかりとした施設で子供たちにも当時の吉備のすごさを感じて学習していただきたい、また観光客の方々にも吉備の歴史や造山古墳、また桃太郎伝説の魅力を発信したいという思いから、ビジターセンターを設置したものであります。
本施設では、当時の吉備の栄華や人の動き、心の動きに焦点を当てて、子供たちがわくわくして想像を膨らませ、郷土への愛着や誇りを持つきっかけとなるような内容をパネル等でわかりやすく紹介したり、日本遺産「桃太郎伝説」をパネルやPR動画で情報を発信したりしていきます。
いわゆるこういう文化財の施設の情報センターは、どうしても記述がかたくなるっていうか、専門的になっていくんですね。私、もう6年以上、市長をやらせていただいていますが、こういうパネルにここまで思い入れを入れたのは初めてでありまして、5、6回、手を入れていただきました。今、人の動き、心の動きっていうふうに申し上げましたが、例えば皆さん、陪塚に千足古墳、これは令和3年度中には整備が終わり、このセンターができるときも一部見えるようにはするんですけども、その千足古墳の石障ってご存じですかね。石障って2種類あって、床と、あとつい立てみたいな。つい立ての石障、この石は天草から来ているんです。なぜ天草からその石が来たのか、どうして来られたのか、いろいろな吉備と天草との関係があると思う。床のほうは讃岐から来ているんですよね。そういうことを想像するだけでも、この吉備の栄華っていうものがわくわくとして見えるんじゃないかなというように思います。
あと、吉備真備っていうのは皆さんご存じだと思いますが、吉備真備、もともとの名前は何だったか知っていますか。下道真備といっている。中国へ遣唐使で行って帰った後、だんだんと政権内で上がっていく過程の中で吉備真備に変えているんです。なぜ名前を変えたんだろうというようなことを、学芸員の皆さんとか教育委員会の皆さん、ここにいる新しい観光部長とか、みんなで話し合って、一定の整理をさせていただいています。
教育委員会の方も、この大和政権というか邪馬台国、投馬国ってありますよね。投馬国が吉備ではないかと、そういう説を岡山市の教育委員会は言われているところもあって、そういうことを想像するのも、私は投馬国が吉備だっていうのはあまり知らなかったんですけども、そういうことを考えていくと、これはなかなかおもしろいなっていう、そういうものをどんどんどんどん想像をしていくような、そういうものにしていっているところであります。
また、昨年度はこの日本遺産の学習漫画を制作して、市内の小学校に配布しましたが、地元の4小学校では学習漫画を地域を知る総合学習に活用しており、その活用状況や学習成果を本施設で紹介することも検討しているところであります。
さらに、本施設は造山古墳で活動されているボランティアガイド団体の活動拠点として活用することとしており、ボランティアガイドの方々と協力しながら、観光客はもとより市民、県民の皆さんに親しまれる施設になるよう運営してまいりたいと考えております。
オープニング記念セレモニーについては、地元のボランティアガイドが4年に1回開催している造山古墳まつりをビジターセンター竣工記念として、1年前倒ししてオープニング記念セレモニーと合わせて開催していただけることになりましたので、地域と連携したイベントとして令和2年5月3日に開催したいと思っております。今の段階ではコロナウイルスの関係、感染拡大に結びつかないような、そういう配慮をしながらやっていきたいというように思っているところであります。
また、先ほど申し上げましたように、千足古墳の石障の間仕切り石は天草のものであるということから、今年の造山古墳まつりでは、「今よみがえる吉備と天草の交流」というテーマで、熊本県立牛深高等学校郷土芸能部の方々を招待し、天草ハイヤ節という郷土の踊りを披露していただくなどの交流を図るとお聞きしております。私も、熊本県の企画課長時代以来の久しぶりのハイヤ節の踊りということで、楽しみにしているところであります。
先ほど申し上げましたけれども、現在、整備している千足古墳の石室等を一部公開する方向で調整しており、すばらしいイベントにしたいと考えております。
岡山市では、令和2年4月から、高齢者の就労定着支援の仕組みづくりを目指す岡山市生涯活躍就労支援事業を本格的に開始します。昨年10月に開催されたG20岡山保健大臣会合では、岡山の目指すべき保健医療の将来像、ポジティブヘルス岡山を世界に向けて発信しており、この事業はこれを実現するための取り組みの一つであります。
日本の高齢者は、体力テストの結果を見ると、体力面、運動面で20年前より5歳から10歳若返っております。また、約6割の人は、元気な間は働き続けたいとの希望を持たれております。また、岡山の企業は多くの働き手を求めております。
岡山市が高齢者の社会参加支援として従来行っていた生涯現役応援センターでは、ボランティアを希望する人を中心にマッチングを行っていました。ボランティアについては一定の成果があったものの、就労のマッチングは十分でありませんでした。実際の数字として測ったところ、就労希望者の3割しかマッチングはできていなかったということであります。また、民間企業の就労支援機関による就労支援についても、高齢者よりも若い働き盛り世代がメインターゲットとなっていたというところがあります。したがって、高齢者の就労、ボランティアじゃない、一定の賃金を付与するような、そういう就労というのが抜けていたという、そういう状況であります。
そこで、岡山市は民間の就労支援機関と、従来の事業を実施していた社会福祉協議会で役割を分担しながら、高齢者の就労支援の体制づくりをすることといたしました。また、単なる委託契約で事業実施をするのではなく、事業の評価を行うための成果指標を設定し、その指標の達成度合いで支払い額が決まるソーシャルインパクトボンド、SIBの仕組みを取り入れることにいたしました。この仕組みを取り入れるにあたって、事業管理、資金管理のノウハウのある日本ファンドレイジング協会に事業を委託しております。
本事業の特徴は、これまで主に高齢者のボランティア活動支援を目的とする生涯現役応援センターを運営していた岡山市社会福祉協議会に、民間の就労支援事業者である株式会社パソナ岡山と株式会社グロップを加えた支援チームを組んで実施するという点であります。比較的就労に結びつきやすい方については、パソナとグロップがそれぞれの得意分野や能力を生かしながら就労マッチングを行い、就労に不安があり、伴走支援が必要な方については、岡山市の社協が支援を引き受けることで、利用者のご希望に対して幅広く効率的に対応できるようにしております。
事業実施期間は令和4年度までとなっておりますが、将来的には民間の就労機関においても、みずから高齢者就労を支援していく体制づくりにつなげられるよう、岡山市としても事業実施を通じて民間の就労支援機関の機運の醸成を図っていきます。
受付窓口は、シルバー人材センターや寄り添いサポートセンターと同じ岡山市保健福祉会館内に開設します。ご利用、ご相談は無料ですので、ぜひこの事業をご活用ください。
次に、地域の未来づくり推進事業でありますが、少し動きが出ましたので、お話を申し上げたいと思います。
この4月から実施する補助金の対象となる地域の未来づくり計画1件の認定が行われました。内容を紹介します。資料1をごらんください。
建部町福渡のTKBによる申請がございました。建部町福渡地域の交流人口増加による地域活性を図るため、空き家を改修し、簡易宿泊所の営業とテイクアウトの飲食事業を実施します。申請者は市内中心部で創業後、昨年、建部町福渡の自宅敷地内に住所を移転、合同会社を設立し、申請したものでございます。補助金申請額は、3年で約2,000万ということになっております。
新しい申請1件は以上でございますが、これまで認定した事業の中で、建物改修が終了した件についてご紹介をいたします。
北区足守地区では、一般社団法人あしもり遊学舎による古民家の改修が終了し、レンタルスペースとして営業を開始します。また、北区御津五城地区では、株式会社FLC designによる古民家改修のうち、菓子製造スペースの改修が終わり、地元五城産の米粉を使った菓子の製造販売を開始しているところでございます。
令和2年度の事業実施に対する補助額は、現時点で9団体で、約3,000万円を見込んでおり、引き続き市内外を含めた事業者への周知をしっかりと行うなど、活性化に向けて取り組んでまいりたいと思います。
岡山市では、令和4年、秋ごろの開館を目指し、表町千日前地区に岡山芸術創造劇場、仮称ではございますが、の整備を進めているところであります。その一方で、市と一体となって文化振興事業を担い、新劇場の運営母体になっていただけると思っている、新しい組織づくりを進めてきたところでございます。一定の整理ができましたので、ご報告いたします。
従来ございました市の外郭団体で、文化振興事業を担う公益財団法人岡山市スポーツ・文化振興財団と公益財団法人岡山シンフォニーホールがこの4月1日をもって合併し、新たに岡山文化芸術創造という公益財団法人を設立する運びとなりました。
この新財団には新劇場の運営母体をお願いしたいと考えていることから、今後、劇場運営に必要となる高度な専門的人材を増強し、岡山市の文化芸術の拠点となる新劇場と岡山シンフォニーホールの両施設を一体的に管理運営するとともに、地域の文化活動の活性化や文化芸術を担う次世代の人材育成に取り組み、まちのにぎわいの創造につなげていく、そうした役割を期待しているところであります。
また、皆様方にお配りしていると思いますが、理事、評議員といった役員は、行政、文化関係者、報道、財界、大学など、さまざまな分野からこの4月1日にご就任いただく予定となっており、文字どおり産学官のオール岡山の体制になったと思っております。
理事長なんですけれども、岡山市の外郭団体は、従来、副市長さんが就任するということが慣例でありました。しかしながら、今回は、文化芸術への造詣が深く、また経済界からの信望が厚く、影響力も大きい、株式会社山陽新聞社相談役の越宗孝昌氏に4月1日からご就任いただく予定となっております。
越宗理事長以下、新財団の役員等に就任される方々には、市民一人一人が岡山の文化に誇りを持ち、地域やまちを元気にしていけるよう、新劇場を核としながら、文化芸術の振興と市民の文化活動の発展にご尽力をいただきたいと考えております。
私からは以上です。
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