皆さん、おはようございます。今日は、市からの発表案件というものはございません。しかしながら、幾つか諸般の動きがございましたので、それらを中心にお話を申し上げたいと思います。
私からコメントするのは3点、1つが新アリーナの件、2つ目が新型コロナウイルス感染症の件、3つ目として教育の問題、3点をお話し申し上げたいと思います。
まず、新アリーナの話でありますが、8月3日、県庁の会議に出席をいたしました。新アリーナ構想について知事に対話を申しかけたところ、ようやく前向きなお返事をいただいたところであります。
この新アリーナ構想は、今調査を行っているところであり、来年度さらに進めた段取りを取るかどうかというところでありますので、早めに県の考え方、経済界の考え方などを踏まえて、我々も行動を取っていかなければならないと考えているところでありますが、まずは担当同士で少し話をしていただいて、今日、岩田君、市民生活局の部長が来ておりますけれども、彼から取りあえず今までの間に一度県庁側には話を投げかけたということであります。
ただ、まだ今後のスケジュール、そして整備の考え方、それらを整理していかなきゃならないということで、具体的な対話の段取りまでは至っていないところであります。できるだけ早くはやっていきたいというように思っております。
ベースとなる考え方ですが、プロスポーツが岡山では従前はあまり見られませんでした。そこで、ファジアーノ、そしてシーガルズ、トライフープ、リベッツと岡山にプロスポーツチームが誕生いたしました。これによって、市民県民の皆さん方が本当に一つになって応援ができていく、私はすばらしいものだと思っております。
特にバレーボール、バスケットの今の試合環境、そして今後のバレーボールリーグのリーグ再編、またバスケットBリーグの改革などを考えると、私としては市民県民のために新アリーナの整備は必要だというように考えております。広域行政を担当する県として整備に対してどう考えられるのか、そういった話をしていきたいというように思っております。
アリーナに関して、県との間では約1年間、1年近く時間が経過したわけであります。その間にも公開質問状等いろいろな出来事がございました。それらについては、こういう整備の在り方をお互い整理をした後にでも私としては県と話し合っていきたいなというように思っている次第であります。繰り返しになりますが、このプロジェクト自身、岡山のトップチームや経済界からの要望もあり、市民県民の関心も高いと思われます。いい話になっていけばというように思っております。
次に、新型コロナウイルスの感染症でありますが、最近の最新のデータでも増加傾向が続いております。これからお盆にも入ってくるわけであります。高齢者との接触も多くなってくると思います。場面に応じた感染対策をぜひともよろしくお願いしたいというのが1点であります。
それから、前回も申し上げましたけれども、今は高齢者のワクチンが打てる状況でありますが、なかなか今までどおりには動いていただいておりません。できれば早く高齢者の方はワクチンを打っていただければというように思います。重症化リスクは相当軽減するはずであります。よろしくお願いしたいと思います。
それから、秋接種開始でありますが、9月20日から行うということが決定されました。岡山市としても9月20日からの接種開始に向けて準備を進めていくところでありますが、一体いつ(接種券を)発送していくのかとか、そういった手続については今整理をしているところであります。整理ができ次第、またお話を申し上げたいと思います。
最後、教育であります。この教育の問題も、これは私が市長になった当時から非常に大きな問題であり、多くの教育の関係者と議論を重ねてまいりました。特に、当初岡山市の子どもたちの学力、ある科目では偏差値47(から48)ということで、基本的な理解が少し問題になっているんではないかと思われるような数字が出てまいりました。また、無回答率、質問に対して答えをしない、そういう率も非常に高かったわけであります。
それらを踏まえて、第1期の(教育)大綱では、取りあえず全国標準並みの学力は身につけてもらおうと、そして身につけた後、我々はここまでは明確には言っておりませんでしたけど、まずは標準的な考え方を身につけてもらって、それから今後世の中にとって最もふさわしい、そういう力を身につけてもらうようにできないだろうかということで、第1期がスタートしました。
今日も担当の植山さんたちに来ていただいておりますけれども、皆さん方の教育、努力があって、実に教育委員会が各学校をずっと回っていただきました。そして、各学校の校長も各教室の先生方と随分議論し合っていい形になり、標準的な学力は身につけるようになったわけであります。そして、今、第2期の(教育)大綱を令和3年に作ったわけであります。
ここで我々が考えているのは、自らの個性を磨き、選択と挑戦を繰り返すことができる子どもたちであります。そして、こういう目標を掲げ、この目標に沿った定量的な指標を定め、それに対して目標到達できるように、また教育委員会、そして各学校の幹部、そして先生方にご尽力をいただくということで、今来ているところであります。この考え方は、我々として今一生懸命やっているところですが、一つ、時々誤解をされることがあるので、ここで少し申し上げたいと思います。
まず県が定めている目標との関係であります。ちなみに、県が政令市岡山に対して目標を設定していくというのは、私は法的な根拠はないと思っております。また、予算も別々でありますし、人事ももちろん別にやっているところであります。しかしながら、法的根拠がなくても、人事予算っていうのが別々であったとしても、一緒になって取り組むっていうことは私は考えられるだろうというように思っております。
県が目標設定をするときに、我々も意見は言わせていただいたんですが、中身についてを一緒に議論するということはありませんでした。そういった状況もあり、かつ県のほうは今もやっぱり偏差値(平均正答率)を上げたいということでやられているところであります。我々として、県の目標値がいいとか悪いとかって言える立場ではございません。しかしながら、我々の考えと県の持つ考えとは少し違っているわけであります。したがって、時々メディアの皆さんにも誤解を招いている面がありますので、そこについては少しご理解をいただければと思います。
先日、全国学力・学習状況調査の結果が出ました。既に学校ごとの分析は始まっております。また、これまでは教育委員会で行っていた岡山市全体の学力の状況分析を、今年は早い段階で校長先生や岡山大学の専門家を交えて協議する場を設定するということ、これは初めてだそうでありますが、設定すると聞いております。学校現場の感覚や、大学の専門性を生かすことによって、さらに分析が強化していくと考えております。
分析を基にした具体的な取組については、次の教育会議で議論するとともに、私も2学期に学校訪問に行かせていただこうと思っております。実際の授業を見て、直接先生方とも話し合っていきたいというように思っております。
これから、特に高度経済成長というのは大分前に終わっているわけであります。成熟化している社会の中で、社会がどう動いていくのか分からないところがあります。そういう中で、子どもたちに粘り強く成長してもらえるような、そういう力を身につけられるように、教育委員会中心となりますけれども、私としてもその目標に向かって頑張っていきたいというように思います。
私からは以上でございます。皆様方のご質問という形で今日は進めさせていただきたいと思います。
〇記者
別件なんですが、8月3日に市内の中学校で熱中症、水泳部の生徒が閉じ込められたという問題が報道で出てきていますが、それについて詳細と今後の対策について、市長何かお考えがありましたら、お伺いしたいんですが。
〇市長
私も教育委員会から報告は受けました。命に関わる重大な事案だと思っております。これだけ暑いときですから、たしか1時間40分、生徒が閉じ込められたということであります。その生徒もまだ完全に回復はしてないのかな、1日も早い回復を願っているところであります。教育委員会と学校には、当該生徒の心のケア、また再発防止に関してこれから議論を進めていくように、対応を検討していくようにという指示はしたところであります。詳細については、教育委員会にお問い合わせいただければと思います。よろしいでしょうか。
〇記者
新アリーナ構想についての質問なんですけれども、8月3日に知事が今までとは違う前向きな発言をされていたと思うんですけれども、それに関してこれから会談、そして例えば合意に行く行くは持っていくに当たって、これまで言及されていた経済波及効果の市内と市外が4対6とか、そういう発言を何か修正されたりですとか、何か譲歩する予定とかはあったりしますか。
〇市長
私の承知をしている限りでは、県がおっしゃっているこの問題点として2つが挙げられると思います。一つは、私が昨年の9月議会でアリーナ構想に関し、今後県にもお願いしていかなければならないと考えているとそういう発言が問題ではないかというのが一つであります。もう一つとして、経済波及効果が4対6という数字が少し違っているのではないかということであります。
経済波及効果の議論っていうのは、確かに一つだけの出し方ではないかもしれません。ただ、岡山の中での信用のあるシンクタンクにお願いをしたところであり、我々としては決してそんなにおかしい数字ではないんではないかなというように思っております。ただ、知事がその分析がおかしいではないかということに対しては真摯に受け止めて、おかしい点があれば修正をしたいというように思っております。
しかしながら、これいつ出せるかっていうと、その具体的なアリーナのものっていいますか、イメージが固まらないと、それによってどういう経済波及があるかっていうのが決まらないんですよね。だから、経済波及効果だけ早く数字を出したらいいじゃないかという人もおられるんですけど、それはあまりに無責任であると思っております。ただ、簡易なものが出るのか出ないのか、そこは今早めに出せるものがあるのかどうかっていうのは、担当のほうに指示をしているところでありますが、ただ、4対6であろうが、5対5であろうが、私はアリーナの整備の必要性っていう面から見ると、大きな差というのはないんではないかなというように思っております。
〇記者
あと、会談はまだ日程は全く定まっていないというお話だったんですけれども、いつ頃をめどにできたらいいというお考えですか。
〇市長
今言ってるように、知事が私におっしゃってる問題点はその2つであります。私としては、会議の場でも申し上げたんですが、広域行政、全県をつかさどる県として、このアリーナ構想の整備を必要と考えるのか考えないのか、必要と考えたときにはどうするのか、そういった根本的な議論が私は必要だろうというように思ってるんです。そこの議論はまだ一度もされてません。したがって、来週開くとか再来週開くっていうのはちょっと難しいわけでありまして、担当同士でどういうストーリーを描いていくのか、私としては市民県民が望んでいるものだと理解しているんですけれども、それに対してどういうふうにお考えになるのかというのを整理して、まず事務的に整理した上で、ある程度整理した上で次のスケジュールを決めていくということになるんじゃないかなというようには思っておりますが、ただこれはこちら側の考えでありまして、まだ担当から話をしたところではそこまで話は至っておりませんので、県側の知事のお考えを伺って対応を決めていきたいというように思います。
〇記者
ありがとうございます。最後にすみません。今まで知事が結構、会談に対して否定的な姿勢をきっぱりと示されていたと思いますけれども、それを一転、前向きな姿勢を示されたことについてはどうお感じになっていますか。
〇市長
分かりません、そこは。ただ、私は70万都市の岡山市の行政をつかさどっている身であります。知事も同じように190万弱の岡山県民の県という立場での行政をつかさどっている立場、そこはお互い必ず重複、重複っていうか相談をしなければならない部分っていうのが出てくるわけであります。
したがって、行政の長としての責任、また政治家としての責任っていうのは、当然お互いが果たしていくべきだというように思っているところであります。知事が対話についてオーケーしていただいたというのは、その理由は分かりませんけれども、今後ひとつ市民県民のためにやっていくっていう道筋はついたのかなと思っております。
〇記者
政令指定都市の場合、このような大きなものを造るときってパブリックコメントとかをして民意があるのかと、要するにそこら辺のところについて検討するようなところもあるんですが、パブリックコメントとかで直接必要性を市民に問うたり、今のタイミングも含めてですけど、そこら辺についてやるお考えはありますか。
〇市長
いや、そこは考えたことは今のとこありません。パブリックコメントなるものは、通常我々として「こうやりたい」と思ってそれを聞いていくっていうのが通常なんじゃないかなと思いますが。突然の質問で少し間違えているかもしれませんけども、そういう意味からいくと、今のアリーナっていうのはまだその段階になってない。
経済界としては、ぜひ造るべきだというように言われております。特にプロスポーツの皆さん方は本当に熱意を持って我々のところにも話をいただいているところであります。我々としても、アリーナの整備っていうのは先ほど言ったように、市民また県民のためには必要だろうというように思っておりますが、ただ、何度か私が申し上げているように、このシーガルズにしろトライフープにしろ、またリベッツにしろ、彼らの活動基盤は県全体であります。そして、ファン層も県全体であるわけであります。そういう中で、私は県の参画っていうのはぜひともしていただくべきだというように思ってるところでありますが。
したがって、参加したいが決まっていないものを今すぐにパブリックコメントというものに乗っけていくっていうことにはならないんじゃないかなというように思います。十分これは議論したわけでありませんので、私の感覚的な話にちょっとなっちゃいますけれども、私としては今の考えはそうであります。
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