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第41回市長と大盛トークを実施しました

[2024年12月2日]

ID:66381

開催日:令和6年11月7日(木曜日)
開催場所:岡山県立興陽高等学校(南区藤田)
テーマ:若者から見た魅力的なまちづくりとこれからの岡山

主に市政の重点課題・施策について分野や業種、テーマを選定し、市民の皆さんや関係者の方々と市長が膝を交えて語り合う「市長と大盛トーク」。
今回は、興陽高校の生徒10名の方々と、「若者から見た魅力的なまちづくりとこれからの岡山」をテーマに意見交換を行いました。

大森市長の挨拶

市長と大盛トークの様子

みなさんこんにちは。今、市長をやらせていただいて12年目になります。もともとは東古松の生まれで、鹿田小学校、桑田中学校、操山高校という子ども時代を過ごしました。長い間岡山から離れていましたが、ふるさとの役に立とうということで岡山に戻ってきました。そしてこの約10年間、岡山のまちをよりよくしていこうとやらせていただいたつもりです。まだまだ不十分だとみなさん方からもいろいろなご指摘があると思います。今日は、高校生の皆さんからいろいろお話しいただいて、皆さんが持っている根っこの部分をきちっと我々も理解しながら政策に取り組んでいきたいなと思っています。

若者の新規就農時のサポート

市長と大盛トークの様子

(参加者)私は、学校の授業や講演会で実際の農家さんの話を聞いたりして、新規就農をする場合に、多額の借入れが必要になることを知りました。そのため、高卒や大卒で新規就農を考えると、マイナスのイメージが先行して就農を諦めるケースが多いと思われます。そこで、少額で新規就農できるようなサービスがあるのか疑問に思ったので調べてみました。そうすると、就農者向けの研修は多いのに、資金サービスは少ないことが分かりました。また、講演会で実際にお話を聞いた女性の農家さんは、女性一人だと、お金を貸してくれないということを聞きとても驚きました。そのような若者を対象とした施策を考える必要があると思いますか。

市長と大盛トークの様子

(参加者)自分自身も大学に進学した後に農家になりたい。農家が将来の夢ですが、農業を始めるのに多額のお金が要ると聞いて、私も資金に関するサービスがあったらいいなと思います。

(市長)農業を始めたい。それはいいですね。今、正確には覚えてないけど、岡山の農業従事者の平均年齢は70歳を超えているんです。だから、これから永続的に農業をやっていくのに、若い人たちの就農というのは欠かすことはできないと思っています。それで、若い人達が入ってくるのはありがたいことだから、様々な支援があるんだよね。農業そのものでも、若い人たちへの交付金制度もある。金融機関でも、例えばスマート農業のような、通常の農業とは違ったものをやる場合は、スタートアップみたいなものに該当するかもしれない。だから、単純にこれからやるんだ、という意気込みだけじゃなくて、具体の計画を、自分なりのものをつくっていろいろ相談していくと、何か光が見えてくるような気がします。
農業だけじゃなくて、起業するときは難しいです。お金がかかっちゃうけど、伴走支援という言葉がある。一緒に考えて、現実的な案にしていこうと考えてくれる人もいる。ぜひそういったことをしながら、コストを下げて利益が出るような形でのスタートをやっていただきたいと思います。

防災公園

市長と大盛トークの様子

(参加者)私は、造園計画の授業で、公園には防災機能があることについて勉強しました。防災公園の役割は、避難場所としての利用はもちろん、情報の公開や収集の場、避難所生活の補助としても利用されます。岡山県内の防災公園について調べてみると、広域避難所は多数あるのですが、私たちが住む岡山市にはありませんでした。人口密度が高い都市部にこそ防災公園は必要だと思うのですが、今後、岡山市にも防災公園を設置する予定はありますか。



(市長)防災公園というのは、災害が起きたときに対応できるような公園ということも一つあるんですけど、地域防災計画の中に位置づけているというのが正確なところです。岡山市は北長瀬未来ふれあい総合公園と西大寺の百花プラザのところの緑化公園、この2つは正式な防災公園として地域防災計画に入っています。あと、南区役所にもいろいろ備蓄してるんだよ。南区役所は防災公園じゃないけど、避難場所にすぐに物資を持っていけるようにしている。だからね、施設を整備して災害が起きても大丈夫なようにしています。
さらに充実するように、今、いろんなことを考えています。南区だったら、地震が起こって液状化するとか様々な問題が出てくる可能性があるので一つ一つ対処していかなければならないとは思います。

農産物の特産化

市長と大盛トークの様子

(参加者)かつては、岡山市や岡山県内でも綿花栽培が盛んであったと聞きます。そこで本校では、絶滅寸前な国産綿花の栽培・販売プロジェクトを行っています。近年、白桃・ピオーネ以外にも、黄ニラやパクチーなどが岡山市で有名な農産物になっていますが、今後岡山市で新たな農産物の特産化などに取り組む予定はありますか。

市長と大盛トークの様子

(市長)白桃、ピオーネ、黄ニラ、パクチー。マスカットオブアレキサンドリアは、津高のある人が品種改良されたもので、正確な記録がないんだけど、津高に持ってきて増やしていったんだね。白桃は、一宮のあたりから育て始めて、だんだんと今の清水白桃になった。パクチーは、牟佐のある農家さんが、日本人が誰でも食べられるパクチーを生産していこうと始めた。いまの4つとも公がやっているものはないんです。
それじゃあ、きびだんごってどうしてできたか知っていますか。桃太郎の伝説をまねたような形で、江戸時代にだんごをつくってみたのが最初。みんなが知恵を出して名物をつくっていく。我々が新しい農産物を進めるということではなくて若干の手助けをするということですね。「桃太郎さんの地産地消どんぶり王選手権」っていう大会を実施しているんだけど、興陽高校からも応募してくれたんじゃないかな。大会で、岡山のおいしいものを伝えるような丼を出してもらって、広がればいいなと思っています。

スマート農業の推進

市長と大盛トークの様子

(参加者)スマート農業はICTやロボット技術を活用し、作業の効率化や品質向上を実現する新たな農業ですが、普及率は23.3%と低いです。このような状況で本校ではスマート農業に積極的に取り組んでいますが、今後の少子・高齢化の視点から考えてもスマート農業は重要になってくると思います。このことについて岡山市で振興するための施策を考える必要があると思うのですが、どうお考えですか。

(市長)おっしゃるとおりで、具体的に農業のプロセス、いろいろあるよね。それを最適化するには、もうITを使わないとできない。それは、みんながそういう認識を持っています。農水省も市も様々な分野でそれをサポートしていく。だから、それはよく勉強して利用してもらえばいい。それでこの部分が足りないなというところは教えていただければ、それをどうするか考えていきます。

農業副産物、農産物残渣の活用

市長と大盛トークの様子

(参加者)私は、稲作の学習で米の栽培・収穫・販売だけでなく、稲刈り後に排出されるワラでワラロールを作りました。そのワラロールは農家さんから依頼を受けて家畜への飼料として提供しています。ですが現代ではワラの利用価値が下がり田畑に土壌改良としてすき込む方法や、禁止されていますが焼くなどが多いと聞きます。ワラのような農業副産物や農産物残渣の利用はSDGsの観点から必要だと思います。それに対する施策を考える必要はあると思いますか。

(市長)ワラロールって畑で見かけたりするけど、あれは具体的にどうやって使っているの。

市長と大盛トークの様子

(参加者)興陽高校では、わらロールをつくったら、ロールされた状態で畜産農家に提供しています。運んだ後にそこでロールをほどいて家畜が生活している場所に敷いたり餌とかにしています。

(市長)それは完全にSDGsそのものですよね。いまの話は、そういう利用は今やっているんだけど、それ以外の利用があるかという意味なのかな。うーん、それについては、知識がないのでちょっと答えられないです。ごめんなさいね。

(司会)ありがとうございます。一通り発表していただいたと思うんですけれど、ちょっと言い忘れたこととか何か市長に聞いてみたいことがありますか。

農家の後継者不足

市長と大盛トークの様子

(参加者)白桃農家などの後継者不足に少し関心を持っています。岡山の名産として今後も引き継いでいかないといけない大切な文化であり、商業的にも大切なものだと思いますけど、後継者、担い手を援助するような施策などはあるんでしょうか。

(市長)援助する施策はありますが、それでもなかなか農業に従事してくれない。足守メロンって知っていますか。毎年、メロンまつりをされていますが、今、後継者がいなくてメロンまつりをやるのも大変な状態になっている。若い人たちの数が減っているのもあるし、岡山は農業も大きな産業だけど、やはり交通の要衝として、流通業や工場などいろいろなものが今どんどんできている。そういう中で農業が若者から選ばれない。そこが最大な問題だろうと思います。なかなかうまくいってないというのが実際のところだよね。さきほど名物をつくれないかという話もあったけど、やっていくのはみなさんなんだよね。だからそういうときに、我々がちょっと背中を押すことはできても、やるのは皆さん。ぜひ頑張っていただきたいなと思います。

新規就農時の土地について

市長と大盛トークの様子

(参加者)私、先ほども将来の夢が農業と言いましたが、家族は全く農業をしてないので、土地がない。お金というより、どこでやったらいいんだろうなというのが将来不安です。最近、耕作放棄地が増えていて雑草が増えてまわりに迷惑をかけている問題があると授業で勉強したので、新規就農したときに、そういうところを私たちが活用できたりするのかなと。

(市長)耕作放棄地も併せて農業の利益が上がるようにと話をしているんだけど、なかなかうまくまとまらない。でも、家が農業じゃなくても農業をやってみたいという強い気持ちを持っている人ができるようにしていかないといけないよね。肝に銘じておきます。

公共交通機関

市長と大盛トークの様子

(参加者)僕はバスを利用していますが、本数が2時間に1本。交通網の手段を増やす予定とかはありますか。

(市長)今、一生懸命やっています。民間会社だから儲かっていない路線をずっと走るわけにいかないですよね。それで、今までは儲かっているところから儲からないところにお金を出して全体で何とか経営してきたけど、それはいかんでしょうと。岡山ってバス会社が9つあって結構競争していた。運賃の上限を決めた認可料金があるんだけど、それが大体140円か150円なんだよね。ちなみに、広島は220円。岡山の場合は、一番最短距離が100円なんですよ。そこは若干増額していく必要があると思います。
それから、儲かりそうなとこから儲からなさそうなところへ一つの中継拠点を設ける。人があまり乗らない路線は大型バスはいらないから、コストを下げるために小型バスを使う。それでも儲からない。儲からないところは、今度は皆さん方の税金で65%ぐらい料金は出しましょうと。公設民営といって我々が小型バスを買う。もうからないから、65%までは払うということにしてやっています。

子育て支援

市長と大盛トーク

(参加者)高校生の子ども手当って出ていると思うんですけど、小学生よりは少ないじゃないですか。高校生も成長期で食費とか結構かかるので、高校生も小学生と同じ、もしくは少し上ぐらいにしてもらえないかなと思います。

(市長)なるほどね。ここでは回答ができないのでまた先生を通して後日お答えしますが、さっき交通の話がありましたが、市がやらなければならない施策として交通問題は大きいんだよね。その他もいろいろある。だから大きな都市って全体的に財政が厳しい。ただ、そういうことを言っていられないということで、今年の1月から例えば高校生が通院したときは、今までは3割負担だったところを1割にしている。それは全体でいうと市の負担が35億円かかる。
税金をどう分配していくかを常に考える。その上で高校生も今までは入院だけ助成していたのを今年の1月から通院も対象にしている。ただ、借金をずっと残していくと、何年か経ってにっちもさっちもいかなくなるから、そこをきちんと守りながら、子どもというか学生に対してもできるだけのサポートをしていこうと思います。

街灯

市長と大盛トークの様子

(参加者)最近、夜暗くなるのが早くなって、通学路に全然街灯がないところがあって帰り道が怖いんです。街灯をちょっと増やしていただきたいです。

(市長)防犯で今話題になっているのは、まず1つが防犯カメラね。カメラで悪いことするやつらを映すし、カメラがあるとやっぱり抑止効果になります。あと1つが今言われた防犯灯ね。当然防犯灯は有用だと思います。話を十分理解して、次の予算でやりたいと思います。

路面電車

市長と大盛トークの様子

(参加者)岡山市って路面電車の需要が結構多いと思うんですけど、路面電車の行ける範囲をもうちょっと増やしたりはしないんですか。

(市長)今、岡山駅前広場への乗り入れ整備をしているのは知っていますか。地元の人は気がつかないんだけど、初めて岡山駅に来た人って路面電車の乗り場が分からないんだよね。それを改善するためにやっています。それから、路面電車ってバスと違って定時制っていうのがありますよね。渋滞とか関係ないから、自分が思っていた時間に着ける。だから利用客はいるんだけど日本一短いんだよね。どこまで増やせるかというのは重要。ただ、どんどん増やせば今度はコストがかかるから、税金でそれを賄わないといけない。だから、そこには限度がある。とりあえず今はハレノワのあたりまで路面電車を延伸する計画はある。それについてどういうお金の出し方ができるのかとやっているところであり、割と実現可能性はあります。
そのほかどうするかが、課題としてあると思います。例えばね、岡山大学まで欲しいという人が結構いるんだよ。なかなか興陽高校まで伸ばすっていうのは難しいと思うんだけどね。だけど、非常に利便性の高いものだということで考えていきます。

ジェンダーレス

市長と大盛トークの様子

(参加者)興陽高校はジェンダーレス制服といって、入学するときにスカートとスラックスというユニホームが選べるんです。女の子はスカートとスラックスが選べるんですが、男の子の選択肢の中にはズボンしかなくて、そのことについてどう思いますか。

(市長)ズボンとスカートの話は、いろんな経緯もあるだろうから私がコメントするわけにいかないかな。
直接の答えではないんだけど、政令指定都市って20都市ありますよね。市役所職員の一番上のポジションを局長と呼んでるんだけど、その女性比率は、20市の中で岡山市が一番高い。例えば、大きな組織になると、人事はすごく大きくなる。岡山市には先生をいれて8,000人職員がいる。先生を除いても5,000人以上います。そのときにどんな人事をするか。女性比率が高いというのは、男だから、女だからと考えるということを一切していない。この人できるかな、できないかなとかいうように考えています。
女性にしか子どもは産めない。そのところは女性特有のことして考えないといけない。ただ、全てを女性と男性で一緒の土俵に立って考えるということは徹底していかないといけないなと考えています。答えになっているかどうか分からないけど、市役所での人の動きについては、男も女も関係ない。なかなかコメントしづらいですけど、このくらいでいいですかね。

自転車専用レーン

市長と大盛トークの様子

(参加者)岡山駅周辺は自転車の専用の道があるんですけど、興陽高校は離れたところにあり、自転車が通る道が狭くて通れない。11月から自転車は交通規制がかなり厳しくなっているようなんですけど、自転車専用の道をこういうところにつける予定はありますか。

(市長)自転車が走るのにふさわしい道路じゃないということになるのかな。なかなか一朝一夕にはできないよね。考えてやっているんだけど、急激に理想に持っていくことはできないから一つ一つやっていく。
今日もね、市役所の中の打合せで、10年、20年たって岡山の町は歩きやすいねと言われるようにしようじゃないかという話をしたんだけど全く同じだと思います。そういうことは重要だと思うので、考えながら一つ一つやっていこうと思います。

最後に

市長と大盛トーク

(市長)農業に関しては、農家と全く関係ない人が農業に入っていくって案外難しいところもある、そういう産業ですよね。他の製造業やサービス業などとは少し違う。それを法人化していってね、株式会社の農業ということになると入りやすくなるかもしれない。だから、農業自体も変わっていかなければならないという感じはしましたね。そのために我々がどういう方向に施策を進めていくのかは重要だと思っています。
それから、農業以外の身近な話もいろいろとしていただきました。特にバスが1時間に1本しかないという話は、1本乗り遅れると1時間時間の無駄にもなるだろうしね。それが常識的な待ち時間で過ごせるようにしていくとか、考えていかなければいけないし、男性、女性の問題といったところ、今も考えているつもりだけどあらためて真剣に考えていかなきゃならないと思いました。
 皆さん、いろいろと将来不安なところもあると思います。だけど、一歩一歩前を向いてやっていただければと思います。一つだけお願いしたいのは、私はずっと東京に住んでいたんですが、市長選に出ないかと推されたときに悩んだんです。そしたら、ちょうどその頃、皆さんぐらいの年齢の娘から、馬が付いているネクタイをプレゼントされた。どういう意味か。馬って、後ろに下がれないでしょう。とどまることはできるけど、前にしか行けない。お父さん、もう迷ったときは前を向くしかないんという示唆。だから、みんなもこれからいっぱい仕事や私生活で悩むことがある。悩んだら人に相談すればいい。それでも悩みがあれば、最後は、前を向く。前を向くというのは方法としてはいいことだと思うので、頑張っていただけたらと思います。

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