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令和8年6月提案理由

[2026年6月8日]

ID:82921

令和8年6月定例市議会に提出した議案に対する市長提案理由説明要旨

 令和8年度補正予算案並びに関係諸議案のご審議をお願いするに当たり,その大要と市政の動向等について申し上げ,市民並びに市議会の皆様方にご理解とご協力を賜りたいと存じます。

はじめに

 本日は「ベジ・ファーストOKAYAMAプロジェクト」をPRするために,市議会の皆様とともに,出席者全員が野菜にちなんだ色とりどりのロゴ入りパーカーを着用しております。ちなみに,私が着用しているのは「きゅうり」,「ピーマン」,「ブロッコリー」の緑色であります。

 このプロジェクトは,健康寿命延伸の取組のひとつとして,生活習慣病予防のため,食事の際に野菜から食べる「ベジ・ファースト」をスローガンに野菜摂取量の増加を目指して,令和6年度にスタートしました。これまで,推定野菜摂取量の測定会をはじめ,協力店との様々な取組などにより幅広く啓発活動を展開してまいりました。

 総務省の家計調査によると,岡山市の生鮮野菜の一世帯当たり購入量は,プロジェクト開始前の令和3年から令和5年の3か年平均では,全国の県庁所在地と政令指定都市52都市中47位だったのに対し,直近の令和5年から令和7年では36位に上昇するなど,良い傾向が表れてきております。今年度も更に取組の充実を図り,市民の皆様の健康づくりを一層推進してまいります。

 地域経済については,先月,日本銀行岡山支店が公表した「岡山県金融経済月報」によると,「県内景気は,一部に弱めの動きがみられるが,緩やかな回復を続けている」とし,景気判断は43か月連続で据え置きとなっております。

 岡山市の経済状況に目を向けますと,比較可能な平成23年度から令和4年度までの11年間で,実質市内総生産の伸び率はプラス9.6%で推計を行っている16政令指定都市の中で4位,一人当たりの市民所得の伸び率は20.6%で政令指定都市の中で2位となるなど順調に推移しております。その要因のひとつが,活発な民間投資の動きであり,同じく11年間の実質民間投資額の伸び率は18.8%で政令指定都市の中で3位,また昨年度の岡山市の支援制度を活用した企業立地件数と投資額についても,いずれも公表を開始した平成25年度以降で過去最高を更新いたしました。

 こうした好調な経済状況の背景には,企業立地の推進や設備投資・スタートアップの支援といった直接的な産業振興施策に加え,中心市街地の活性化や道路ネットワークの整備,待機児童対策等の社会福祉施策など,これまで岡山市が行ってきた様々な施策が有効に働き,岡山市の地理的優位性と相まって,民間の設備投資を誘発する好循環が生じていることがあるのではないかと考えております。

 しかしながら,中東情勢は依然として先行きが不透明な状況であり,混乱の長期化による市内企業への影響拡大が懸念されることから,岡山市では3月31日に市内中小企業向けの経営相談窓口を設置しました。先日成立した国の補正予算の具体内容を精査し,岡山市としても市民生活や市内企業への支援について,適切に対応してまいります。

 一方で,内閣府が公表している各都道府県の県民経済計算では,令和4年度の岡山県の一人当たり県民所得が全国44位となり,一部報道でも取り上げられたところです。令和4年度の数値は特異要因があったと考えられるものの,長期的に見て年々順位が低下傾向にあることは確かであります。市町村としても当事者意識を持って真剣に考えていく必要があるとの思いから,4月の岡山県市長会議において,共同して議論することを提案し,賛同をいただきました。

 8月の岡山県市長会議に向けて,現在,専門家の意見も伺いながら分析を行っており,岡山県全体の発展にも寄与してまいりたいと考えております。

 今年度は,2月議会で議決いただいた「岡山市第7次総合計画」のスタートの年であります。前計画期間では,あらゆる分野で直面する課題を一つひとつ克服し,市民の皆様の最大幸福の実現と都市の持続的な発展に向けた変化を創り出してまいりました。その結果として,先ほど申し上げたような様々な数字が示すように,岡山市は中四国を代表する拠点都市として成長を遂げてまいりました。

 少子高齢化・人口減少が加速する中,岡山市が圏域をリードし更なるステップアップをしていくために,「第7次総合計画」では,新たな要素として「わくわく感」を盛り込みました。地域固有の歴史・文化等をいかした地域振興を一層強化し,市民の皆様のまちへの愛着と誇りの高まりへと繋げるとともに,まちの主役である市民の皆様一人ひとりが自分らしく暮らせ,幸せを実感できる「わくわくする桃太郎のまち岡山」の実現に向けて,様々な施策をバランスよく,かつ積極的に進めてまいります。

 次に,個別の施策について申し上げます。

こども・子育て・教育の充実

 教育については,平成29年に「岡山市教育大綱」を策定し,これまで喫緊の課題であった学力向上や,不登校のこどもへの支援,「自らの個性を磨き,選択と挑戦を繰り返すことができるこども」の育成に注力してまいりました。その結果,考える力の基礎となる学力は全国平均レベルに達する等,一定の成果はありましたが,「自ら実践する力」「考えを発信する力」が十分に身についているとは言えず,不登校の人数も全国平均に比べて緩やかではありますが増加しており,「道半ば」と言わざるを得ません。 

 こうした状況を踏まえ,今年3月に策定した「第3期岡山市教育大綱」では,こどもたちが予測困難な時代を生きていくうえで大切な「学び続ける力の育成」,「不登校のこどもなどの居場所づくりと社会的自立への支援」,こどもたちにとって安心感の源となる「地域社会とつながる力の育成」を3つの柱といたしました。これらの取組を通して,将来こどもたちが目標に向かって挑戦し,自らの人生を自ら舵取りできるよう,こどもたちの成長を市全体でバックアップしてまいります。

 このうち,不登校のこどもへの支援については,これまでの学校中心の支援から,学校以外での学びの場も含めた社会全体での支援へと考えを大きく転換し,民間施設を利用しているこどもの保護者に対する施設利用料の補助やこども食堂等の運営団体に対する運営費の補助を今月から順次行うとともに,児童福祉の面からも不登校のこどもや保護者のニーズを把握するため,来月アンケート調査を実施いたします。

 また,子育て世帯の経済的負担を軽減するため,今年度は小学校の給食費を無償化するとともに,中学校の給食費の保護者負担額を令和6年度水準に据え置くことといたしました。給食費無償化に伴い,食物アレルギー等の理由で小学校の給食を食べられない児童の保護者に対しても,給食費相当額の給付を行うことといたしました。

地域振興

 次に,各地域の振興については,地域振興基金も活用しながら,地域資源をいかした魅力ある地域づくりや地域の課題解決に取り組んでいるところです。東大寺の造営や再建等で歴史的に関係の深い全国15の構成市町が参加する「東大寺サミット」を来年1月24日にハレノワで開催いたします。源平の争乱により焼失した東大寺の復興を望む民衆の思いや,先頭に立って再建に尽力した高僧の努力,なぜ万富地区が瓦の一大生産拠点となったのかなどを,職人たちの活気あふれる様子とともにわかりやすく伝えるVR動画の制作等を行い,万富東大寺瓦窯跡の更なる認知度向上とサミット開催への機運を盛り上げてまいります。

 その他,今年度は御津郷土歴史資料館の展示リニューアルや造山古墳ビジターセンターの機能拡充検討などを予定しており,更なる地域の愛着と誇りの醸成に繋げてまいります。 

 地域と拠点を結ぶ支線バス「FLAt」については,4月1日から「庭瀬循環線」,「芳泉・岡南線」の2路線が新たに加わり,計7路線で運行しております。また,幹線と支線の快適な乗り継ぎ環境整備の第1号となる「築港新町バス停」も完成しました。路線バスを持続可能なものとするためには,より多くの方に使っていただくことが重要であり,支線バスを知っていただき,乗車していただくきっかけをつくることで利用の定着に繋げるために,今月からお試し乗車券の配布を開始しました。8月には鉄道からの乗り継ぎ割引も実施する予定としており,今後も事業者とともに周知を図りながら様々な利用促進策を講じてまいります。

アリーナ整備

 昨年度,事業化を決定したアリーナ整備事業については,令和14年度の完成に向けて,更なる機運の醸成を図りながら,着実に作業を進めているところです。

 その中で,広く市民の皆様にご理解いただくため,本年1月から4月にかけて誰でも参加できる事業説明会を計4回開催いたしました。説明会では,参加者からの疑問等に対し,個別に丁寧にお答えすることで,事業への理解を深めていただくことができたと感じております。さらに今月20日から11月にかけて,「アリーナのあるまち岡山」について対話していただく全5回のワークショップを開催いたします。今後も,様々な機会を捉えて,市民の皆様との対話の場を設けてまいりたいと考えております。

 寄附金については,昨年12月の募集開始以降,既に多くの皆様からご支援をいただくとともに,アリーナによる地域経済の活性化やまちの発展への大きな期待,応援の声もいただいており,この場をお借りして感謝申し上げます。

 現在,アリーナの整備や維持管理,運営などを行う事業者の募集・選定に向けて準備を進めているところであり,必要となる条例案を,本議会にお諮りしております。

まちを楽しむ

 岡山駅前広場への路面電車乗り入れについては,今月1日に東口駅前広場内に「公共交通案内所」が完成いたしました。これに続いて,今年度末に路面電車の乗り入れが開始されることにより,岡山の玄関口における公共交通の利用環境が格段に向上するものと期待しております。

 西川緑道公園は,今年開設から50年という節目を迎えました。西川緑道公園は,様々な官民のイベントに利活用され,まちなかのオアシスとして市民に親しまれております。6月13日及び14日に開催する「花・緑ハーモニーフェスタin西川」を皮切りに,民間主体の賑わいづくりのイベント等と連携しながら,1年を通して開設50年の機運を盛り上げるとともに,10月には記念シンポジウムを開催し,これまでの軌跡を振り返りながら,歩いて楽しいまちづくりや都市における緑の重要性を再認識する機会としてまいります。

 「歴史を感じる憩いの広場」をコンセプトに整備を進めている「烏城公園石山地区」は,4月から飲食・物販等の便益施設などの整備や公園全体を管理運営する民間事業者の募集を開始いたしました。

 本事業では,民間事業者が設置する飲食・物販等の便益施設による収益の一部を,公園の整備や管理運営に充てるPark-PFI制度等を活用することとしており,10月には優先交渉権者を決定し,民間事業者ならではのアイデアやノウハウを活用した公園の魅力向上を図ってまいります。

 また,池田光政公の隠居所のあった岡山城西の丸については,活用の検討を進めるため,有識者会議を立ち上げます。6月30日から複数回会議を開催し,岡山城西の丸の歴史・価値,活用の方向性,整備する機能・施設の候補等の検討を進めてまいります。岡山城や後楽園を中心としたエリアー帯のさらなる魅力の向上と賑わいの創出,まちなか全体の回遊性向上に努めてまいりたいと考えております。

観光振興

 令和7年度の岡山城天守の入場者数は,好調なインバウンドに加え,積極的な集客イベントの展開により45万7,451人となり,これまで最多であった昭和47年度の入場者数を53年ぶりに更新しました。今年夏には,天守や櫓など江戸時代の威容を表現したVR動画を,天守内で上映開始する予定としております。また,現在放映中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」の出演者によるトークライブとパブリックビューイングを7月5日にハレノワで開催します。このイベントは,秀吉が天下人へ駆け上がる契機となった備中高松城水攻めにゆかりのある役を演じる出演者を招いて開催するものであり,高松地区を含めた岡山市全体の盛り上がりや観光誘客に加え,豊臣五大老に名を連ねた宇喜多家の大河ドラマ実現に向けた機運醸成に繋がるものと考えております。

医療・福祉

 岡山市北部の地域医療については,国立病院機構による金川病院の指定管理が令和8年度末をもって終了することから,令和9年度以降は地方独立行政法人岡山市立総合医療センターに運営を移管する方針としております。また,久米南町との一部事務組合で運営する福渡病院は赤字運営が続いております。

 御津・建部地域では,人口減少や医療従事者確保の困難さなどもあり,病院経営は今後さらに厳しい状況になることが見込まれます。しかしながら,地域の民間医療機関が減少する中,公立2病院の役割は重要であります。

 このような状況を踏まえ,今年度から病院の機能や経営のあり方について検討を開始し,6月5日に第1回目の検討会議を開催して有識者から意見を伺ったところです。持続可能な地域医療の提供体制の構築に向けて,将来を見据えながら,実現可能性のある対応策を検討してまいります。

岡山市戦没者追悼平和祈念式

 毎年6月29日の「岡山市平和の日」に開催してまいりました「岡山市戦没者追悼式」は,遺族会の会員の皆様の高齢化等による参列者の減少や戦争の記憶の継承などの課題に直面していることから,戦後80年を一つの区切りとして,今年度から「岡山市戦没者追悼平和祈念式」と名称を改め,プログラムを再構成することといたしました。

 戦争で亡くなられた方への哀悼の意を表する趣旨も大切にしながら,これまで以上に児童生徒をはじめとした多くの若い世代に参加していただき,平和への誓いを次世代に引き継ぐ場としてまいります。

災害に強いまちづくり

 浸水対策については,かねてより国に要望しておりました旭川ダム再生事業が建設段階へと移行し,今年度新規事業として予算措置がなされました。具体的には実施設計等に着手されることとなり,岡山市の治水安全度の向上に大きく寄与するものと期待しております。

 南海トラフ巨大地震については,昨年国が公表した被害想定を受け,今年3月に岡山県が県内の被害想定を13年ぶりに見直しました。また,気象庁では5月29日から新たな防災気象情報の運用が開始されました。これらを受け,岡山市では直ちに避難指示等に係るマニュアルを改訂したところであり,今年度中に新たな被害想定に基づくハザードマップを作成するなど,市民の皆様が的確に避難行動を行えるよう,引き続き,平時からの啓発や確実な避難体制の確保に努めてまいります。

新庁舎

 耐震性能の不足が課題となっている現本庁舎に代わる新たな庁舎が,5月29日に完成し,7月11日に落成式,7月11日及び12日に市民見学会を開催いたします。全面開庁は,11月24日を予定しており,順次移転作業を進めてまいります。新庁舎では,防災機能の強化に加え,住所変更等の手続きがより簡単になり待ち時間が短縮できる「スマート窓口」の整備や一層のバリアフリー化,キッズスペースの整備,事業者向け閲覧端末の集約化,部局間の関係性を考慮したフロア配置など,誰もが利用しやすい庁舎となるよう様々な工夫を凝らしております。岡山城をモチーフにした外観を取り入れた新庁舎が,岡山市の新たなシンボルとして,市民の皆様から長く愛されるものとなるよう,引き続き,現庁舎跡地の周辺施設整備等を進めてまいります。

国際交流

 国際交流については,4月14日から16日まで,私が団長を務めさせていただき,市議会議長をはじめとした総勢8名の岡山市公式訪問団が,岡山商工会議所の皆様と共に,ベトナム・タイニン省を訪問しました。旧ロンアン省とタイニン省がベトナムの行政区画の再編により統合されたことを受けて,令和5年に旧ロンアン省と締結した「相互協力に関する共同声明」について,改めてタイニン省と署名し,協力関係を継続することを確認しました。岡山市とタイニン省が相互に発展できるよう,引き続き,協力関係を深めてまいりたいと考えております。

令和8年度6月補正予算の概要

 それでは,甲第99号議案から甲第101号議案の補正予算の概要について申し上げます。

 補正額は,一般会計で19億69百万円余,特別会計で1百万円余の増額となっております。補正に要する財源については,国庫支出金11億68百万円余,市債4億円余などであり,一般財源4億円余については,令和7年度決算により生ずる見込みの剰余金で対応します。

 主な内容としましては,最高裁判決を踏まえた生活保護費等の追加給付,岡山市特別職報酬等審議会の答申に基づく報酬額改定,アリーナ整備運営に係る委員会の設置に伴う経費などです。

その他の議案の説明

 続きまして,その他の議案の主なものについて申し上げます。

 甲第103号議案は,岡山市特別職報酬等審議会の答申に基づき,市長・副市長等の特別職の給与改定を実施する等のものです。

 甲第108号議案は,岡山市アリーナ整備運営事業について,公共施設等運営権制度を導入するに当たり,公共施設等運営権に係る実施方針に関し必要な事項を定めるものです。

 甲第109号議案は,岡山市アリーナ整備運営事業PFI事業者選定委員会を設置するものです。

 以上で提案理由の説明を終わります。

 よろしくご審議の上,議決を賜りますようお願い申し上げます。

報告に対する市長説明要旨

 ただいま上程になりました報告についてご説明申し上げます。

 報第12号から報第17号までは,いずれも令和7年度の繰越明許費繰越計算書,継続費繰越計算書又は予算繰越計算書で,令和8年度に繰り越して執行するため,その内容について報告するものです。

 報第18号は都市計画道路下中野平井線橋梁上部製作架設工事について,報第19号は岡山市民会館解体工事について,報第20号は御野幼稚園園舎改築工事について,それぞれ契約金額を変更したものです。

 報第21号はリース公用車の事故について,報第24号は道路の管理瑕疵による事故について,それぞれ相手方と和解し,賠償額を決定したものです。

 報第22号はリース公用車の事故について,報第23号は国の負担金の交付額確定に伴う返還金の納付遅延により生じた損害について,それぞれ賠償額を決定したものです。

 報第25号及び報第26号は,市営住宅退去明渡し等の債務について,それぞれ訴訟手続により債務の履行を請求することを決定したものです。

 報第27号及び報第28号は,市営住宅の家賃滞納等について,それぞれ相手方と民事訴訟法第275条の規定による和解をすることを決定したものです。

 報第29号は,岡山市新型インフルエンザ等対策行動計画を変更したものです。

 なにとぞよろしくお願いいたします。

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