第24回市民の童話賞
最優秀賞「ぼくの手のひら」
岡村幸代
第24回市民の童話賞選考会は、「小・中学生の部」が11月8日(土曜日)午前10時から小野信義、片山ひとみ、中川貴夫、疋田久美子の各選考委員が出席し、「一般の部」が10月22日(水曜日)午後6時30分から、みごなごみ、森田恵子、山根知子、山本和雄の各選考委員が出席し、それぞれ行われた。
今回は小・中学生の部で297作品(小学生の部48作品、中学生の部249作品)、一般の部で28作品(第1部13作品、第2部15作品)、合計325作品の応募があった。
小・中学生の部については、市立小中学校図書館司書14名による予備選考を通過した49作品(小学生の部10作品、中学生の部39作品)の中から、着想・文章構成・情景描写が優れたもの、テーマ性を意識して自分の思いを込めたものなど、小学生の部から2作品、中学生の部から6作品の計8作品が入賞した。
一般の部では、学校教諭など5名による予備選考を通過した12作品(第1部6作品、第2部6作品)の中から、子猫とのふれあいを通じて生と死というものに向き合い、成長してゆく主人公を丁寧に描いた『ぼくの手のひら』が最優秀作に選ばれた他、1作品が優秀に、また、入選が2作品選ばれた。
この度は、市民の童話賞最優秀賞を頂きまして、大変有難く思っております。
「ぼくの手のひら」は、自分自身が子どもを授かり育てる中で感じた、命の温もりや尊さを表現した作品です。
育児中のため、創作にあてるまとまった時間は取れませんでしたが、日々成長する息子の姿や、子育てを支えて下さる沢山の方々の優しさに励まされ、最後まで書くことができました。
この作品が、読者の皆様の手のひらをそっと温めることが出来たなら、作者としてこれ以上の幸せはありません。
これからも日常の生活で感じたことや体験したことを表現していきたいと思います。
ネコの飼い方や習性に詳しく、ネコ博士と呼ばれているたくま君。5年生の夏休み、たくま君は捨てネコ、ヤタラを飼い始めます。それは、生まれてから一度もネコを飼ったことがないたくま君にとって、驚きの連続でした。ところが、冬を迎える前に、ヤタラは死んでしまいます。不思議な事に、それ以来、たくま君は手のひらにヤタラの温もりを感じるようになるのでした。
これは、たくま君が命のかけがえのなさに気付き、成長する物語です。
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