みちばたのマツの木のえだで、三ばのことりが、たのしそうにうたっていました。
ピイ、ピイ、ピイッ。
木のしたで、これをきいていたぜんたは、じぶんもいっしょに、うたいたくなりました。
ピイ。
けれども、そこまでいうと、ことりは、バタバタと、にげていってしまいました。なんて、いじわるのことりでしょう。ぜんたはいえにかえると、おとうさんにいいつけました。
すると、おとうさんがいわれました。
「それはおまえがむりですよ。ことりは、いままで、にんげんにいじめられてばかりいたのです。にんげんのこえがこわいのは、むりはありません。」
「だってぼく、なかよくしてあそびたかったんだ。」
ぜんたがいいました。
これをきくとおとうさんは、ひとつのはこを、つくってくださいました。それには、やねがあり、いりぐちがあって小さないえになっていました。ことりのいえだったのです。そこで、ぜんたはそのいりぐちに、こんなことをかきつけました。
「ことりのやど。いつでもここでおやすみなさい。とまってもかまいません。ぼくは、あなたたちと、ともだちになりたい。わるいことはいたしません。」
そしてそれを、にわのカキの木のえだに、ぶらさげました。それからのち、ぜんたは、まいあさ、もうことりが来てとまっていないかと、にかいのまどからのぞきました。しかし、いつみてもそのなかはからっぽでした。これは、ことりははやおきだから、ぜんたがおきるころは、もうあそびにでて、いないのかしらんと、日ぐれに、そっとのぞいてみました。それでもやはりからっぽでした。そこでこれをおとうさんにはなしますと、おとうさんがいわれました。
「ことりは、学校にいかないから、ぜんたのじがよめないんだろう。」
ぜんたはこまりました。しかし、こればかりはどうすることもできません。しかたなく、ことりのやどをのぞくのをやめました。ところが、それからいく月かたって、あるあさ、ふと、まどからみると、はこのなかに小さなまるいあたまがのぞいていました。
ぜんたはおおよろこびで、すぐおとうさんのところへかけていって、そっと小さなこえでいいました。
「おとうさん、ことりは学校へいったらしい。だって、あのいえへ、ゆうべから一わきてとまっている。きっとぼくのじがよめたんだよ。だったらいまにおともだちになれるだろうね。」
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