ノートルダム清心女子大学 2年 M.M.
初めてこの作品を読んだ時、私は悲しいのか何なのかよくわからない不思議な気持ちになりました。
何の前触れもなく子どもが死に、何故ここで子どもが死ぬのか、死なせる必要はあるのかと考えました。しかし繰り返し読むうちに不思議なことに、正太があそこで死ぬからこそ、それまでの正太の様子が濃く鮮やかに私のイメージの中で輝いているのだということに気づきました。
人生は生きている間だけのことを指すのではなく、「死ぬ」ということも人生であるのだということを坪田譲治の作品は私に教えてくれました。人生とは生きている間のことだけで語れるものではないのだと思います。この作品の一番最後の文章、「クルリ、クルリと、小さい正太の姿」の一文が今も私の中で強く残っていて輝いているような気がします。
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