ノートルダム清心女子大学 3年 宝田雅子
主人公のわたしは、山の幸や海の幸に恵まれた土地から通ってくる友達を羨望の眼差しで見ています。わたしはかつて自分の家の工場で製造していたエンピツを友達の栗やきのこや鳥と交換しようと計画します。そこへ割って入ってきたのが、武南倉造でした。彼は彼の流儀で友人たちに約束を実行させようと奮闘します。子供らしからぬ論法で実力行使する彼の行動からは、正義感の強さを感じましたが、自分と無関係なことに、これ程干渉してくる彼の性格に少々違和感を覚えました。父親の病気のために学校を辞める彼に、わたしや友人たちは、様々な形で思いやりを示します。それは、彼の人間性に対して周囲の人々皆が、魅力を感じていたからでしょう。いっしょに万成山に登った時、初めてわたしは、人をだます人間を彼が憎むようになった理由を知ります。祖先に誇りを持って懸命に生きる彼のような少年がいたら、誰でもエールを送りたくなるに違いないと思いました。
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