ノートルダム清心女子大学 2年 黒住怜未
何百本もの梅の木に囲まれた梅ヤシキは、あたり一面が、真っ白になっているだろう。ウグイスの鳴き声を聴きながら、ふたりでキャラメルを食べる。視覚・聴覚・味覚で春を感じる。子供ながらにも、「なんだか、夢でもみてるような気分に」なるのだ。
キンちゃんが嘘をつく。子供ならではの、やんちゃで、可愛らしい心で。ケンちゃんはそれを信じる。子供ならではの、まっすぐで純粋な心で。読んでいると、昔の自分を思い出す。こんな風に、つまらなくなると、ちょっとした嘘で気を引いたものだ。それからケンちゃんは重い病気にかかってしまう。「金の梅・銀の梅」を握りしめて、最後の瞬間まで、ケンちゃんは子供として生きていた。
残されてしまったキンちゃんは、今は悲しみと罪悪感でいっぱいだろう。もう少し大きくなって、あの時梅を持って行ってよかったと思ってもいいかもしれない。大人の境界線は、、、
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