ノートルダム清心女子大学 2年 垣内寛美
ビワは家の敷地に植えると家人が病気になる、家がつぶれるなどといったどこか不気味さを感じさせる植物であったようだ。
しかし、この作品の中のビワは、瑞々しく、鳳凰の卵に例えられるなど生命力を感じさせるものになっていた。
譲治はビワについてこのように描写していた。「甘くて、酸っぱくて、そしていい匂いがして丁度それはビワの実の様な味でした。」「何にしても、そのおいしさは、比べるものがありません。」
ここで抜粋した描写以外にも、読者に本当に今ビワを食べているような錯覚を与えるほど、ビワに対する譲治の心の入れようが感じられた。
自分の好きなものをここまで描くことができる譲治の純真さに胸を打たれた。
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