ノートルダム清心女子大学 3年 K.Y
主人公の「ぼく」が夢の中でトンボになってしまう話だが、夢の中の出来事にも関わらずトンボの体の仕組みが具体的に描写されていて、とてもリアルに感じた。普段からよくトンボや自然を観察し、慣れ親しんでいることが想像できる。ガラス頭のような非常に大きな目や、頭をクルクル回すと目に入ってくる目まいがするほどの壮大な景色を夢の中で体感した時、ぼくはどんな気持ちだったのだろうか。後半ではトンボ視点からの人間も描かれており、ここでぼくは子どもの無邪気さからくる恐怖を敏感に感じ取っている。普段のぼくがどのように生き物と関わっていたのか定かではないが、何か思い当たる節でもあったのだろうか。またこの夢での体験から、ぼくの中でどういう心境の変化が起こったのかを読者自身に想像させてくれるような終わりだった。
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