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インターンシップ・レポート/『文学の街「岡山市」 ~街中にある文学を探して~ 』

[2024年9月30日]

ID:64975

岡山県立大学 古川 理子

 私は正直、文学にあまり精通していない方だ。たまに好きな作家の小説を読むくらいで、文学の歴史や言語表現などについてはまったくと言っていいほど知識がなかった。そんな中、岡山市役所の文化振興課のインターンシップに参加し、岡山市出身、またはゆかりのある作家が多数いることや、岡山市が約四十年連続で文学賞を継続していること、岡山県立図書館の貸出数が全国の県立図書館の中で一位であることなど、岡山市が文学の街であることを知った。このインターンシップに参加するまで、岡山で「文学」が盛んなイメージを持っていなかった私にとって、とても驚くべきことだった。

 岡山が文学の街であるということを意識しながら市街を歩いてみると、新たな発見もあった。岡山市では他都市と比べ、文学、特に印刷業も得意であるということを学んだ影響か、印刷会社や碑、案内板などが本当によく目に入るようになった。今までは見えていなかったものが見えてくるように感じ、認識が変わると、ものの見方も変わるというのはこのことかと実感した。

 インターンシップの中で、街中にある文学を探しに行こうということで、私たちのグループは夏目漱石の句碑を見に行くことにした。なぜそこを選んだのかというと、夏目漱石が有名であり、自分自身でも実際に教科書などで読んだことのある小説家だったからという単純な理由だ。実際に見た句碑には、

「生きて仰ぐ 空の青さよ 赤蜻蛉」

の文字が刻まれていた。生前、病に苦しんだ背負う席がかろうじて回復した際に、周囲の人たちに感謝しながら、無数の赤とんぼが飛び交うどこまでも高い秋の空を目にし、しみじみと生きている感慨を詠んだ句だそうだ。赤とんぼはまだ見られなかったが、空が晴れ晴れとしていて、生きていることの尊さ、空を見上げる漱石の心情にまでも、思いを馳せることができた。

 岡山市が目指す姿は、「歴史と文化が薫り、誇りと一体感を持てるまち」だ。地元であるにもかかわらず、岡山市の文化、歴史について何も知らなかった。しかし、今回のインターンシップを通して、いち岡山県民として、岡山市の多様な芸術、文学を知りたいと思った。また、県内外に関わらず、多くの人に、岡山市が文学の街であるということが広く知られてほしいと感じた。

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