キャリア教育の中で、文学と共にある岡山市について現地取材を行ったり、講義を受けたりすることで学びを深めることが出来た。
まず、キャリア教育の中で、「街の中にある文学」というテーマに基づき、岡山市街散策を行った。具体的に訪れた場所としては、林芙美子氏・菊田一夫氏・成瀬己喜男氏の所縁の地、吉行淳之介氏の案内板が挙げられる。上記の場所は、日常生活の中で頻繁に利用する場所であったが、文学との関わりがあることを知らなかったため、文学散策マップを見て興味を持ち、実際に訪れることとした。
文学散策マップに沿い、林芙美子氏・菊田一夫氏・成瀬己喜男氏所縁の地を訪れると、上記の所縁の地は岡山を代表する老舗菓子舗「つるの玉子本舗下山松壽軒」の場所と重なることが分かった。岡山を代表する名物の和菓子「つるの玉子」は、小説家・林芙美子氏が描いた『放浪記』第三部において「鶴の卵」「鶴の卵子」という表記で登場する。上記の小説を菊田一夫氏は舞台化し、成瀬己喜男氏は映画化している。また、上記の場所の近隣には、複数の寺が立ち並び、城下町の面影が感じられる。以上のことから、岡山を代表する和菓子「つるの玉子」に歴史を感じると共に、『放浪記』という文学作品と関わりのある和菓子であったことに驚きを感じた。
また、散策マップに沿い、小説家・吉行淳之介氏の案内板のある場所を訪れると、案内板には本人の写真と共に説明が記載されており、人目の多い桃太郎大通りに設置されていることが分かった。このように、案内板が人目の多い道端に設置されていることで、日常生活の中で自然と文学に触れる機会が出来ると考えた。
また、案内板のある場所と城下町の様子を示す地図とを重ねてみると、吉行淳之介氏の生まれた岡山市桶屋町の周辺に案内板があることが分かり、興味深く感じた。
以上のことから、岡山市と文学にはどのような関わりがあるのかという視点で岡山市街を散策することで、様々な新しい発見ができたと考えた。また、岡山市にゆかりのある文学に対する親近感や、岡山市街の背景にある文学の歴史についての興味が高まり、大変良い経験になったと考えた。
最後に、キャリア教育の中で、文学創造都市おかやまの講義を受けて考えたことについて述べる。岡山市の行っている三つの事業の中で、特に市民が参加する事業に興味を持った。具体的には「アジアの子どもたちに絵本を届けよう」というワークショップで、絵本を読むことのできない難民キャンプで生活している子ども達に絵本を届けるという事業に興味を惹かれた。
以上のことより、キャリア教育を通して、岡山市と文学とは密接なかかわりを持っていることを実感することが出来たと考えた。
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