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インターンシップ・レポート/『文学から見る岡山市』

[2024年9月30日]

ID:64997

岡山大学 法学部 藤野 航成

 岡山市は、ユネスコ創造都市の文学創造都市として認定されている。実際、岡山市は「桃太郎」発祥の地として有名であったり、県立・市立図書館の施設機能が充実していたりと、文学的に非常に恵まれている。今回、私は街歩きを通じて、岡山市を文学的な観点から観察した。以下では、私が街の中で見つけた、文学に関する物や場所について、考えたことを述べていきたい。

 まず、私は、岡山市役所から東側の方面に向けて出発し、新西大寺町や西大寺町、橋本町周辺を散策した。これらの町は、城下町時代等の名残を残す町名となっており、道中では、それを示す石碑を見つけた。町名のルーツが数百年前にさかのぼるほど、歴史が古いことが私としては印象的であり、また、西大寺町周辺では商店街が形成されており、そうした商業的な発展が、人々の文学意識の向上につながっているのではないかと考えた。

 次に、私は、川崎町周辺にある夏目漱石の句碑を訪れた。石碑には「生きて仰ぐ 空の高さよ 赤蜻蛉」と彫り込まれている。この句は、修善寺の大患を越えた漱石が、赤蜻蛉に生きる喜びを感じ、その思いを綴った句である。そのため、この句自体は岡山とは直接的な関係はない。しかし、石碑が設置されている場所付近の景色を見ると、句の内容に合っているように感じた。私が訪れた日はとても晴れており、漱石と同じように空を見上げると、太陽がまぶしく、入道雲が大きく広がり、鳥や虫がはばたいていた。私自身、とても風情を感じ、夏の空に見入っていた。また、石碑から少し歩くと、岡山城や後楽園があり、こうした場所にも歴史や哀愁を感じる。岡山は「晴れの国」と呼ばれるほど、天気が良く、また、岡山市には、岡山城のような歴史的建造物がある。人々は、天気が良いと、気分が向上し、また、歴史物に触れることで、文化や芸術について学ぶことができる。よって、そうした岡山市の温暖な天候が、私たちが本を読むのに適しており、それが、図書館の施設機能充実につながっているのではないかと考えた。

 さらに、歴史物に触れることによって、文学作品を作るうえでのインスピレーションを多く受けることが可能なのではないかと感じ、また、それが、岡山市の文学的な成長につながっているのではないかと考えた。

 以上のように、私は、街歩きを通じて、文学的な観点から岡山市の発展を考察した。岡山市は、良好な気候や地域に根づいた文化、古くからの歴史に支えられて、文学的に発展したと考えた。今後も、街歩きを通して、岡山市の文学的特色をさらに見つけたい。

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