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インターンシップ・レポート/『町中にある文学―横溝正史と福沢諭吉―』

[2024年9月30日]

ID:64999

就実大学 3年 横山 涼羽

 私は本レポートを執筆するに当たって、横溝正史の「金田一幸助シリーズ」と縁のある「岡山県警察本部」を訪れた。

 まず最初に、町中にある文学というテーマの本レポートを執筆するに当たり、数多くある文学者と縁のある場所の中から、この場所を選んだ理由から説明する。私は以前、大学の企画する文学散歩というイベントに参加し、吉備路文学館に行った。その時に見た展示が横溝正史に関するものだったため、これも何かの縁だと思い、縁のある「岡山県警察本部」を訪れようと考えた。

 しかし、実際に訪れてみると、横溝正史に関係しそうなものは見つけられなかった。考えてみれば当たり前の話だが、この場所が横溝正史に縁があると言っても、それは横溝正史の「金田一耕助シリーズ」に出てくる磯川警部という登場人物の勤務先として、「岡山県警察本部」を設定しているだけで、実際には、岡山県の中では、横溝正史の疎開先である倉敷の方が縁が深い。だが、せっかくここまで足を運んだのだからと思い、「岡山県警察本部」の中に入ってみることにした。すると、自由に見学できるスペースが一階だけでなく二階にもあることが分かったため、上がってみた。二階には、旧庁舎(昭和三十二年)の写真が展示されていた。私はこの写真を見て、「金田一耕助シリーズ」に登場する磯川警部の勤務地のイメージとしては、年代的に考えてこの旧庁舎の方だろうと思った。そう考えると、直接的に横溝正史と関わりがあるとは言えないが、あの「金田一耕助シリーズ」の登場人物の勤務先を写真の中だけでも窺うことができて、感慨深く感じた。

 また、「岡山県警察本部」の二階展示スペースでは、もう一つの意外な出会いがあった。展示スペースには、詐欺等の犯罪防止啓発ポスターなども展示されていたのだが、その中に「留守電のすすめ」というマンガで詐欺にあうリスクを減らすために、留守番電話の設定を薦めるチラシがあった。それには、福沢諭吉が登場していた。岡山と福沢諭吉には、あまり接点があるように思えなかったため、少し調べてみると、福沢諭吉の師である緒方洪庵が岡山県岡山市で生まれたことが分かった。岡山と福沢諭吉の間には、直接的な関わりはなかったとしても、思いがけないところでつながりを見つけることができるのだなと思った。

 本レポートを執筆するに当たり、現地調査や情報収集を行ってみると、意外なところに文学とのつながりがある。きっと他にも様々な縁が岡山の町と文学の間には存在するのだろう。そういった縁を町を歩きながら探すのも、一つの楽しみになると私は考える。

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