文中の『』は様式書類名を表している。各種様式書類は各消防署及び出張所の「庁内ラン」共有フォルダからも印刷可能です。
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第2章 出動に関する事務
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2-1 各種訓練・分団行事
消防団本部で計画する教養訓練や消防署で計画する訓練(水防訓練・防災訓練・特別訓練・現地訓練等)は,担当署から団本部に報告があるので,各参加分団長から消防団長への報告は必要としない。
分団単位で,訓練・警備等を実施する場合は,『分団行事の実施について』により消防団長宛にあらかじめ報告すること。
また,町内会長など地域からの出動依頼書がある場合は添付すること。
- 注意
分団行事としての実施報告がない場合は,出動報酬の対象にならない。また,公務災害の認定も受けられないことがあるので,出動報酬支給の有無にかかわらず分団の行事は必ず報告すること。
親睦旅行などで同時に20人以上の団員が居住地を離れる場合は,出動報酬の対象外であるが,「分団行事の実施について」の様式により報告すること。
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留意事項
- 軽微な機庫及び機器の点検整備や消火栓の点検等で町内を巡回のみの警備は,出動報酬の対象としない。
- 出動報酬の支給については,「岡山市消防団出動報酬支給要綱」によって対象となる業務を定めている。
- 出動報酬が支給される業務は,消防団の業務に含まれるが,公務災害等の補償される消防団の業務(公務)であっても出動報酬支給対象にならない活動はある。
- 祭・イベントの警備や防災に関する講演会の聴講などに参加する場合は,同様に参加活動をしている町内会や防災組織等もあり,ボランティア的要素が高いことを考慮し,消防団の業務であっても出動報酬は支給しないこととする。
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各種訓練・講習
- 水防訓練
過去の参加実績や実施場所等により出動する分団を選出する。実施要領等の訓練計画は「消防局防災管理課」が行い,事前に出動分団あてに通知される。例年20分団100名程度の団員が参加している。 - 防災訓練
毎年9月1日前後に行われ,訓練場所等により出動する分団に通知される。 - 特別訓練
春・秋の火災予防運動の期間中,文化財防火デーなどで実施しているが,実施主体は消防局又は消防署となる。地元方面隊・分団あてに訓練出動依頼がある。 - 普通救命講習
平成23年1月から,応急手当普及員が普通救命講習(1)及び(2)の開催を自ら計画し自ら講習後,受講者に修了証の発行ができるようになった。
これにより,講習資格者の女性団員をはじめ消防団員が,積極的に普及啓発活動ができる環境が整ったので,各分団においては分団活動の一つとして講習行事を企画し,地域住民の安心の向上を図られたい。
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講習開催手続の流れ
- 管轄消防署へ『普通救命講習開催申請書』により申請
- 消防署長の承認後,講習を開催(資器材は貸し出しします)
- 結果報告,「参加者名簿」の提出
- 修了証の発行(管轄消防署が作成する)
- 普及員による修了証の配布
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【注意】消防団行事に参加する際の消防車の使用について
各消防団の行事の際には、消防車での参集を控えるように申し合わせているが、依然消防車に乗り合わせて参加している分団も見受けられる。消防車両は地域の災害対応に備えているポンプ車及び可搬ポンプ積載車であって、管轄の区域を離れることは必要にして最小限でなければならず、また離れる場合は次善の対応策を取る必要がある。各分団においては運営上の諸事情もありましょうが、今後消防車の運用について万全を期すために、「運行上やむを得ない場合及び事前の訓練計画等で団長の指示又は承認があった場合を除き,消防車の運用は、当該分団の管轄区域内に限る。」これを徹底し、遵守すること。
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【参考】消防団業務について(事例紹介)
「消防団員等公務災害認定事例集&質疑応答集」(消防団員等公務災害補償等共済基金編集)から抜粋
- 町内会の要請により,河川の枯草焼却作業の警戒に出動
町内会等が行なう単なる河川の清掃作業は,消防の任務ではなく,当該清掃作業等に消防団が出動しても公務として取り扱われない。
ただし,消防団の出動が,単なる河川の清掃でなく,枯草焼却が広範囲に渡るものである等,その作業の過程で飛び火等による延焼などの不測の出来事に対応することを目的とした予防警戒であり,また,消防団長の指示を受けて分団長の命令で出動したものであれば,その警戒業務の出動は公務として取り扱われる。 - 地区の盆踊り大会の会場整理等に出動
従来,盆踊り大会,祭礼,イベント等における消防団の活動を公務とするには,火災予防を前提とした警戒等でなければならないものとされていた。しかし,“消防力の基準”の改正(平成12年1月)により,消防団の業務に“地域住民等に対する協力,支援及び啓発等に関する業務”が加えられ,その業務の具体例として“祭り,イベント等での警戒,会場整理”などが挙げられた。したがって,消防団がその行事に参加することで住民に対する防災意識の啓発・普及,広報等の効果などが期待できると消防団長が判断し,その命令下で出動したものは公務として取り扱われる。
祭り等での雑踏整理については,公共の危険防止のための警戒活動と考えられる。 - 消防団が町民体育祭(スポーツ大会)に参加
当該運動競技会へ消防団員を出動させることが,住民に対する消防団の広報,防火意識の啓発等に効果があると消防団長が承認し,その承認の下で分団から出場者を選んで参加している場合は公務として取り扱われる。
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2-2 災害出動
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1 火災等の災害出動は次の出動指令等による。
- 指令システムによる電話連絡
- 消防情報通信センターからの出動要請連絡
- 消防団係からの出動要請連絡
- 消防署長からの出動要請連絡
- 火災又は災害現認による分団長判断の出動(団長からの事前命令となる)
- その他の消防団長特命の出動
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2 行方不明者の捜索
これら捜索活動は,町内会や警察などから直接分団長に出動依頼があることが多いと考えられる。依頼を受けた分団長は,その内容を速やかに消防情報通信センター又は消防団係に連絡し指示を受けること。
行方不明者の捜索は,「消防力の整備指針」(平成12年1月20日消防庁告示第1号)により行方不明者の捜索は消防団の業務(救助に関する業務)とされている。出動については通常の災害出動と同様で団長の出動命令によるが,主体は警察とし,あくまで警察への協力的な活動と位置づけている。
捜索活動終了後は,その結果を消防団係まで報告(団長宛)すること。出動分団が複数にわたる場合は方面隊または地区で一括報告のこと。報告書の内容は,出動日時,出動分団,団員及び活動内容を記載すること(様式なし)。
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3 事業所等への団員出動協力依頼
団員の勤務する事業所に対し,局長・団長から出動協力依頼を行っている。
また,岡山市の職員の災害出動に対しては職務免除の申請を行うので,分団長は出動した団員について次のことを消防団係に連絡すること。
- 団員の氏名
- 出動日時,場所
- 依頼文書の宛名(事業名,総務課長名等)
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2-3 操法訓練
消防操法訓練大会は,消防精神の高揚と迅速的確な消防技術の向上を図り,併せて相互の緊密な連携協調の体制を確立し,消防活動の万全を期することを目的に開催されている。操法訓練日程及び実施要領等は,2月期の分団長会議で審議する。
地区大会は3月中,岡山市大会は4月に開催され,市大会の結果により代表チームが,県大会に出場する。
操法大会に先立ち,「消防操法指導員・審査員研修会」を2月初旬に開催する。
同研修会での操法訓練展示担当は前年度岡山市大会優勝チームとする。
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1 地区大会の提出書類は次のとおり。
- 『消防操法訓練大会の出場操作員について(地区大会用)』により各所属署へ提出する。
- 『出動報告書(操法用)』
地区大会終了後,3月分の出動報告と一緒に管轄の消防署へ提出のこと。
訓練主体は各地区で,それぞれの訓練実施要領により開催される。 - 『操法訓練地区大会事前訓練実施報告』
1分団につき1日に12名以内とし、訓練実施報告回数については、別途指示する。
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2 市大会の提出書類
- 『消防操法訓練大会の出場操作員について』
「新人」の欄は,岡山市大会に初めて出場した選手(指揮者及び番員操作員)を対象に新人賞を選ぶためのもので必ず記入のこと。
岡山市大会実施日の5日前までに消防団係まで提出すること。 - 『出動報告書(操法用)』
様式は、出動報告書(操法用)で報告。3月中に実施した訓練については,3月分の出動報告と一緒に報告。残りは4月分で報告のこと。
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3 県大会用提出書類
『出動報告書(操法用)』
様式は、出動報告書(操法用)で報告。各分団の訓練実施人数及び訓練実施回数については、別途指示する。月毎に報告し,各月分の出動報告と一緒に報告。
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操法表彰
県大会出場チームの全員(操作員及び補助員)が消防出初式で操法訓練優良団員として消防団長から表彰される。県大会での両種目成績最上位チーム(全国大会選考対象種目)が,功労分団表彰の候補分団となる。
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2-4 幹部団員研修・夏期教養訓練・球技訓練
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1 幹部団員研修
幹部団員研修は,例年7月上旬の早朝6時から8時までの予定で実施され,参加者は部長以上,1分団3名程度とする。各署から派遣された職員の指導により,班に分かれて規律訓練等を実施している。
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2 夏期教養訓練,球技訓練地区大会
例年8月に各地区単位で夏期教養訓練と同日に球技(ソフトボール)訓練を実施する。
実施主体は各地区及び担当署のため,実施要領は管轄の消防署と協議のこと。実施及び結果報告は,副団長から,訓練内容,参加人員等について団長あて報告すること。
※球技訓練用バックネットは,事前に予約すること。消防教育訓練センターの消防団倉庫に保管しているので,各地区の責任で搬出から,収納まで完結のこと。(グローブ,バット等の用具は2チーム分あり)
※この球技訓練地区大会の結果,各地区の代表5チームにより,岡山市球技訓練大会がトーナメント式の試合で実施される。
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3 岡山市球技訓練大会
出場するチームは,大会当日までに様式「岡山市消防団員球技訓練大会の出場選手について」により出場選手名簿を消防団係まで提出すること。
選手登録人数は15名(女性団員は3名の別枠),年代別に次のとおり出場制限があるので,年齢は正確に記入すること。
※出場制限:プレー中の選手の年齢構成は,常時30歳未満4名以下,30歳代3名以上,40歳代2名以上とする(指定年齢より高齢の場合は制限なし,女性は40歳代とみなす)。
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2-5 歳末夜間警備警戒・巡視
11月期の分団長会議で実施要領について協議する。例年12月28日に岡山市長等による慰問の巡視を予定している。
毎年12月28日から30日までの3日間,毎日20時から24時まで歳末夜間警備警戒を実施している。
歳末警備警戒の結果報告は,通常の出動報告で各署・各出張所まで提出すること。出動報告用紙には3日分の欄を使用すること。12月分の出動報告用紙は2部送付する。
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2-6 県消防学校教育
年に2回(第1回目は7~8月頃,第2回目は2~3月頃)に実施される。
第1回目の教育に関しては,5月期の分団長会議で,第2回目は11月期の分団長会議で案内する。
消防団員教育申込書と消防団員履歴書の2通を消防団係まで提出すること。
これら書類は分団長会議において配布する。
申し込み後,入校が決定され次第,通知書を分団長及び本人に送付する。また,決定後においても科目により受講者数減少等で中止になる場合があるので,この場合も同様に中止の通知書を送付する。
教育科目は次のとおり。
- 基礎教育(2日間)
新人消防団員,又はこれに準ずる団員を対象に,消防団員として必要な知識及び技術を習得する。(第1回目のみ) - 初級幹部科(2日間)
部長又は班長の階級にある消防団員を対象に,指揮能力の向上を図る等初級幹部に必要な知識技術を習得する。 - 中級幹部科(2日間)
副分団長以上の階級にある消防団員を対象に,災害対策・災害時における部隊運用等中級幹部に必要な知識技術を習得する。 - 機関科(1日間)
機関担当員又は予定者を対象に,機械器具の取り扱いに精通した消防団員を養成する。 - 警防科(1日間)
災害現場活動に必要な知識及び技術を習得する。
※他に日本消防協会主催で,幹部候補中央特別研修等が実施されている。
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2-7 消防出初式
例年,1月の第二日曜日に行われ,約1,600人の団員が式典に参列する。
式典は,消防殉職者への黙とう,岡山県知事表彰をはじめ各種表彰授与の他,消防局長式辞,市長訓辞,消防団長挨拶,来賓祝辞など厳かにとりおこなわれる。
式典と並行して屋外では「消防のひろば」を設けて,来場の市民に消防のPR活動を行っている。
式典終了後は,音楽隊の演奏や方面隊旗・分団旗(徒歩)および消防車両の分列行進などがおこなわれ,消防団車両は33台が分列行進に参加する。
11月期の分団長会議の議題で式典要領,残留体制などの留意事項,協議確認事項等審議する。
※事前に分団旗,方面隊旗を管轄の消防署へ持ち込むこと。式典終了後に会場から必ず旗を受け取り旗箱に収納して持ち帰ること。
※当日の会場受付において,式典参加人員を報告し,表彰状等を受け取ること。
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出初式 分列行進車両のグループ分け
平成22年から実施し、平成25年以降繰り返しとする。
- グループ1(平成28年)
北:内山下,清輝,今,御野,横井,御津第1,御津第2,建部第5
西:吉備第1,石井,大野,馬屋下,足守,日近,加茂
中:富山,三蟠,三勲,高島
東:西大寺,光政,金田,太伯,朝日,浮田,瀬戸第3,瀬戸第4
南:芳田,浦安,妹尾第1,興除第1,都六区,灘崎第1 - グループ2(平成29年)
北:深柢,鹿田,弘西,牧石,野谷,御津第5,建部第2,建部第4
西:白石,吉備第3,三門,平津,福谷,生石,吉備津
中:平井,沖田,宇野,財田
東:芳野,雄神,津田,幸島,古都,御休,瀬戸第1
南:福浜,甲浦,妹尾第2,福田第2,興除第2,錦六区,灘崎第2 - グループ3(平成27年)
北:出石,岡南,南方,東牧石,馬屋上,御津第2,御津第4,建部第1,建部第3
西:吉備第2,伊島,一宮,大井,岩田,高松
中:旭東,操陽,幡多
東:可知,金岡,九蟠,豊,大宮,平島,角山,瀬戸第2
南:福島,小串,妹尾第3,福田第1,大曲都,錦,灘崎第3
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2-8 火災予防運動等巡回広報
方面隊単位で,春・秋の火災予防運動期間中巡回広報を実施している。管轄消防署・出張所と日程調整して,実施日時を管轄消防署(総務係)まで連絡すること。
- 春の火災予防運動期間 3月1日から3月7日まで
- 秋の火災予防運動期間 11月9日から11月15日まで
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消防広報メッセージ(例文)
- 春秋の火災予防運動
こちらは岡山市消防団(○○分団)です。ただ今「春(秋)の火災予防運動」を実施中です。空気が乾燥し火災が発生しやすくなっています。どちら様も火の元には十分ご注意ください。 - 火災警報
こちらは岡山市消防団です。ただ今,火災警報が発令中です。空気が非常に乾燥し,ちょっとした不注意が火事の元。お出かけ前,おやすみ前には,必ず火の元を確かめましょう。 - 歳末警戒
こちらは岡山市消防団です。年末であわただしいこのごろ,火の元は大丈夫でしょうか。お出かけ前,おやすみ前には,戸締まりとともに今一度,火の元点検を行いましょう。 - 火災注意報
こちらは岡山市消防団です。ただ今,火災注意報が発令中です。空気が非常に乾燥し,火災の起こりやすい気象状態となっています。火の取扱いに十分注意しましょう。 - 乾燥注意報
岡山市消防団からお知らせします。空気が乾燥し,火災の起こりやすい気象状態となっています。屋外,山すそでの焚き火,火入れには十分注意してください。 - 防火パトロール
こちらは岡山市消防団です。ただいま防火パトロール実施中です。火災は大切な命や財産を傷つけ奪っていきます。どちら様も火の取扱,火の元には十分ご注意ください。
広報メッセージ音声ダウンロードのページへ
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2-9 ラッパ隊
一部の地区において行事に参加し消防団活動の発展に寄与してきた実績が認められることや,新生「岡山市消防団」の特色として是非ラッパ隊を結成し消防団行事を華やかにしてはという要望があり,平成20年2月当面の暫定的な措置として次のとおり「地区ラッパ隊」を運用することを決定した。
ラッパ隊を出動させる場合は,『分団行事の実施について』に準じて,消防団長宛あらかじめ報告すること。
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ラッパ隊暫定運用基準
- 副団長は各地区に1隊に限り「地区ラッパ隊」を設置することができる。その組織は副団長一任とする。
- 消防団行事への参加は,その行事毎に消防団長の承認を得ることとし,その場合は費用弁償の支給対象となる。
- 通常の練習について,事前に団長の承認を得た場合は消防団活動として認めるが,費用弁償の対象とはしない。
- 制服及びラッパは貸与しない。
※費用弁償の対象になる出動の報告は,隊員の所属分団長から月次報告書で行なうこと。
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他の手続へ
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