なんてこった。桃の国の桃消防署から、温羅(うら)川をこえて、鬼の国の鬼消防署に人事異動になっちまった。平和な桃の国とはちがって鬼の国の話は辛口だぜ!
鬼消防署には、いろんな鬼が消防士として仕事している。オレの時空を超える能力で、鬼たちの仕事ぶりをみてやるつもりだ。今回は、救急車に乗っている鬼、救急の鬼をチェックしてやるぜ!
消し太うらじゃバージョン
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教授「しかし、ひとたび心肺停止となった患者を助けることは難しく、深刻な脳へのダメージは、結果として、目覚めることのない1週間ほどの延命にすぎないかもしれません。しかし、それはご家族にとって、ただの1週間ではありません。皆さんの勝ち取ったかけがえのない時間なのです。朝、普通に出かけた家族がもう帰ってくることがない、それが救急の現場なのですから。
皆さんはどんなに困難な現場でも、救命のためにやれるだけのことをやらなければなりません。そして、たとえ1週間でも、3日でもその大切な時間を勝ち取っていかなければならないのです。」
救急隊は、布団の中で息をしていない60代のやせた父親とその娘に向かいあっている。まさに救命処置を行おうとする救急隊に娘はこう言ったのだ。
救急の鬼が少し小さくなったように感じる。
人生の最後に心肺蘇生などの救命処置を希望せず、ご家族やかかりつけ医と話し合っている場合でも、いざという時にどうして良いかわからずに119番通報されることがある。しかし、命を助けることを使命とする救急隊は助けなければならない。そこに時間的な余裕はない。
消し太「人生の最終段階の医療・ケアについて、自らの希望を、家族と繰り返し話し合って共有する人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)の取り組みがすすんでいる。しかし、そのことを救急隊は一刻の猶予もない中で確認することができないんだ。」
お話は岡山市の場合です。全国的には、いくつかの市町村で例外があります。救急隊にとって『救命』は多くの市民が我々に期待する絶対的使命ではありますが、一人一人の傷病者に寄り添う存在でもありたいと思っています。そして傷病者の方それぞれが希望する尊厳ある最期を迎えることを願っています。『119番通報をすることが救命処置を行いながら病院へ搬送することになる』ということを前提に、もしものとき、急変した際の対応を、ご家族やかかりつけ医とあらかじめご検討ください。
おしまい。
日頃から、有事に備えて自らが希望する医療や望んでいることなどを周囲の人たちと共有しておくことが大切です。岡山市地域ケア総合推進センター作成のホームページでは、人生会議(ACP:アドバンスケアプランニング)について紹介されています。以下のリンクからご覧ください。
所在地: 〒702-8024 岡山市南区浦安南町495番地88 [所在地の地図]
電話: 086-262-0119 ファクス: 086-264-3935