厚生労働省の患者調査では、令和2年の精神疾患患者数は614.8万人となっており、一生涯のうちに精神疾患にかかる人は5人に1人と言われています。こころが不調になった状態をそのままにしておくことで、精神疾患に繋がり症状が悪化して対人関係に影響が出たり、学校へ行きにくくなることもあります。また、とても辛い気持ちが長引くことで、自分を傷つけてしまうこともあります。
当センターでは、「精神疾患に対する正しい知識を持ち、誤解や偏見を防止すること」、「生徒が精神的な不安や不調を抱えた際に自ら援助希求がとれること」を目標に『こころの健康早期支援事業』を行っています。出前講座では、思春期に発症することが多い精神疾患に関する知識や、相談時の対処法などについて理解を深める講座と、ストレスに関する知識やこどもがSOSを出せる環境づくり、SOSの受け止め方について取り上げた講座を企画しました。
統合失調症は思春期年齢に約4割が発症すると言われている病気です。しかし、まだ病気について知られておらず、正しく理解されていないことも多いです。病気のことを知らないことで、相手を傷つけていることも多く、予後にも大きく影響します。
「統合失調症の理解のために」では、病気の基礎知識に加え、精神疾患に対する差別・偏見についても取り上げています。また、普段聞くことのできない当事者の方の体験談を聞いていただき、より理解が深まる内容となっています。
この事業は本来、(1)教職員の専門研修、(2)人権教育としての授業、(3)専門相談の3つからなります。今回の出前講座では(1)教職員の専門研修を行います。
(1)教職員の専門研修
・内容 センター職員による講義、当事者の方のお話
・対象者 岡山市内の中学校の教職員の方
・時間 1時間程度
・費用 無料
(2)人権教育としての授業(2時限分)
教員が精神疾患に関する授業を実施する。授業実施に際しての学習指導案は、当センターが作成した授業案を活用。授業内容は精神疾患のある人を特別な存在として捉えるのではなく、精神疾患のある人を含む全ての人がともに社会を構成し、一人一人が社会に必要な存在であることを基本に据えて、生徒の精神疾患に対する正しい理解の習得と偏見防止を目指す。
・内容 教職員による授業、当事者の方のお話(センター職員がサポートに入ります)
・対象者 岡山市内の中学生
・時間 1時限目:「こころの病気」について正しい知識を学ぶ(当センター作成指導案を活用)
2時限目:ピアサポーターの体験発表を通して、精神疾患に対する差別・偏見について考える
(3)専門相談
早期支援の必要な精神疾患の疑いのある生徒やその家族、または教職員に対し、精神科医や専門職などによる専門相談を実施。
*(1)教職員の専門研修のみのお申し込みも可能です。
思春期年齢は外界からの刺激を受けやすく、対人面や学習面など様々な側面で葛藤が生じやすい時期です。この時期に心が不調になった状態をそのままにしておくと、心の病気に繋がる恐れがあります。どんな病気でも、早期発見・早期治療が症状の悪化を防ぎ、適切に対処することが回復への近道とされています。
「思春期と精神疾患について」では、思春期年齢に発症しやすいうつ病、摂食障害、不安障害、統合失調症の4疾患について、各疾患の概要と対処法、こころが不調になった時のサインや対処法についてお伝えしています。
・内容 センター職員による講義
・対象者 岡山市内の中学校の教職員の方
・時間 1時間程度
・費用 無料
近年、小中高生の自殺者数は増加傾向にあります。文部科学省では、「心の健康観察」などによる自殺リスクの把握と適切な支援、教職員等がこどものSOSをどう受け止めるかについて学ぶ機会の設定等が示されています。
「メンタルヘルスの重要性とストレスマネジメント」では、ストレスに関する知識やこどもがSOSを出せる環境づくり、SOSの受け止め方についてお話します。
・内容 センター職員による講義
・対象者 岡山市内の小学校、中学校の教職員の方
・時間 1時間程度
・費用 無料
事業にご興味を持たれた方、ご説明にお伺いすることもできますので、お気軽にお問い合わせください。
お申し込みはチラシ裏面の申込書からお願いします。
問い合わせ先:(086)803-1273
岡山市こころの健康センター(平日 午前8時30分から午後5時15分まで)
所在地: 〒700-8546 岡山市北区鹿田町一丁目1番1号 [所在地の地図]
電話: 086-803-1273 ファクス: 086-803-1772