岡山市内の小中学生の約500人が病気を理由に長期欠席していることが明らかになっている。岡山市内には4施設6学級の入院中の子どもが通う院内学級はあるが全ての病院に設置されているわけではなく退院後は通級できない。さらに高校生への支援は行われていない。子どもの長期治療にともなう学習の遅れや、社会体験の不足など慢性疾病を抱える子どもの環境を理解してもらうための啓発を継続すると共に、子ども達が将来へ希望をもって生活するための学習、相談、交流、体験の場や支援が必要である。
平成28年度市民協働推進モデル事業で実施した、「入院中の子どもの学習環境」の調査結果をもとに、院内学級の無い病院への支援スタッフの派遣を行うこととし、小児慢性特定疾病児童への継続的な支援施策となることを目指す。
2017年11月12日(日曜日)、普段は学習支援をしている「ポケットスペース」(岡山市北区奥田本町)で体験学習が開かれ、のっぷも参加してきました。
ちゃんとラジコン動いたよ!!
2017年度は、入院中にできなかった科学実験や異文化交流などの「体験学習」を取り入れ、ポケットスペースの充実を図っています。
最近は「プログラミング学習」を授業に取り入れている学校もあり、この日ポケットスペースでは、タブレットでプログラミングをして、ラジコン自動車を動かす体験をしました。実際に、走る、止まる、まわる、音を出すなど、自分が指示したとおりに車が動くと、参加者の目が輝いていきました。
ボランティアのお兄さんたちに手伝ってもらいプログラミング!
子どもたちは、友だちとのコミュニケーションや対人関係などいろんな経験をすることで人間としても成長していきます。長期にわたり治療が必要な子どもたちがお互いに交流し、ボランティアさんなどから学習支援を受け、相談ができる場があることは、自立した大人になるために大切なことです。
いろんな経験をすることで、「こんなことがしたい」「ああなりたい」という気持ちが持てるきっかけになるといいですね。
2016年度事業で開始した、病気の子どもが治療のため学校へ通えない期間の学習支援をしてきた「ポケットスペース」事業。事業2年目となる2017年度は、支援の場所を広げて実施しました。支援場所となった医療機関の医師も「勉強の遅れを気にする人がたくさんいる。学習支援活動は、宿題がなかなか進まない、みんなについていけるのかとういう不安解消の助けになる。」と仰っています。
全ての子どもたちが笑顔になれるための活動の広がりが期待されます。
これまでの学習支援・拠点づくりの経験を生かして平成29年度途中より、新たに市内2カ所で学習支援を開始することになりました。それぞれの実施場所の関係者と相談を重ね、オーダーメイドのマニュアルを準備するなど、実施団体の経験と誠実な対応が第三者の信頼を生み、支援の拡大につながったことが伺えました。
2年間の協働事業の実績が認められ、平成30年度より岡山市において「小児慢性特定疾病児童等自立支援事業」が実施されることになりました。施策化への道筋を開き、導いた協働部署とそれに応える実績を残した実施団体の双方の努力によって岡山市内の病弱児などが安定的に支援を受けられる環境がつくられることになりました。