「つながる!協働リレーコラム」では、岡山で協働を進めている皆さんに、自分たちの活動や経験を通じて、「協働」に関して感じていること・考えていることについてコラムでご紹介いただきます。
※なお、内容は執筆当時のものです。大阪市内の下町で生まれ育ち、1988年に旧国民金融公庫(現日本政策金融公庫)に入庫。神戸支店配属後、本支店6か所で勤務。創業支援部創業支援課長(東京)、九州地区総括室長(福岡)、舞鶴支店長を経て、2014年4月、自身10回目の転勤で岡山支店国民生活事業統轄となる。
また、2016年7月より岡山市協働推進委員会の委員長を務める。
JR大阪駅の一駅隣り駅近く、戦火を逃れて戦前から今も残る長屋がひしめく下町が私の生まれ育ったまちです。
父はサラリーマンでしたが、実家で母親がお好み焼き屋をしていました。実家の右隣りが喫茶店、左隣りが美容院、お向かいさんは自動車のパーツ屋さん。裏にある銭湯には、結婚して家を出るまでずっと通っていました。小さい頃から近所のおばちゃん、おじちゃんに見守られて育ってきたような感じです。社会人になるまで暮らした下町が、仕事をしていくうえで、生活していくうえでの原点になっています。
社会人となり日本政策金融公庫に入りましたが、その役割は、小零細企業の方々に対し政策融資でご支援することです。
つまり、自分を育ててくれたまちの商店や町工場のひとつひとつがお客さまとなるわけです。地域のみんなに育ててもらった恩返しをするように、転勤でお世話になるまちを少しでも元気にするお手伝いができればとの想いで業務に励んでおります。
2014年、岡山支店に赴任した年は、政府において地方創生に関する議論が真っただ中にあり、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が策定されました。その後、岡山支店でも岡山県と産業振興等包括協定の検討を進め、2015年1月に公庫として全国で初めて都道府県と業務提携を締結しました。
岡山県との包括協定締結式
また、同1月、併行して移住定住促進、商店街で増え続ける空き店舗、市街地の空き家、郊外の耕作放棄地等、さまざまな地域の課題を解決すべく「地域課題解決ネットワーク岡山」を、岡山NPOセンターや商工団体、公庫(事務局)計6団体で立ち上げました。
単体では課題解決に導くことが難しくとも、各団体の特長を活かし、横のつながりを大切に手を取り合って課題に向き合っていこうと取組を進めております。これはまさに岡山市が進める「協働」の精神につながるものと思います。
各機関が、各々の特性を活かし地域課題解決のために取組みます。
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地域課題解決相互連携
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※各機関への情報展開は、ご本人から情報展開に関する同意がある場合に限ります。
岡山県をはじめとする各自治体や支援機関の各種委員、審査員を務めさせていただくことが増えていく中、2016年6月、「岡山市協働推進委員会」の委員長就任依頼を受けました。金融機関、しかも転勤族の私でいいのかと悩んだ末、ここで協働のお手伝いをさせていただくことも、自身の原点、まちとの関わり、岡山での取組がもたらしたご縁だと考え、お受けさせていただきました。
第3回協働推進委員会の様子
委員会では、岡山市協働のまちづくり条例に基づいた、「岡山市協働推進計画」の策定という大きな仕事がありました。岡山のまちが元気になっていくように、協働を進めていくための具体的な取組を、事務局のお力もお借りしながら審議しました。
策定途中には協働推進計画を考える市民フォーラムも開催し、私たち委員と、市民や職員の皆様と意見交換ができたことは大変意義深いことだと思っています。
2017年2月に開催された「第1回おかやま協働まちづくり賞の最終審査&表彰式」においては、協働で取り組むことの素晴らしさ、支援が届きにくいところを掘り起こして支援していく大切さを改めて実感しました。
第1回おかやま協働まちづくり賞の最終審査&表彰式
入賞した5つの取組はどれも子どもに関する取組で、社会課題や未来を考える中で、次代を担う子どもにスポットがあたったのだと思います。課題解決に取り組んでいる皆さんに敬意を抱くとともに、こんなに多彩な取組がある岡山を誇りに感じました。
最後に、この表彰式を観覧されたある参加者がおっしゃられた印象的な言葉をご紹介します。
「子どもたちや住民の笑顔が地域の風景のように見えました。」
ありがとうございました。次は誰が登場するかな??