多くの人がオンライン会議の導入に難しさを感じていることと思います。
オンライン会議でどんなことができて、どんなことが難しいのか。メリット・デメリット、何を乗り越えたら利用できるようになるのかを知ることは、オンライン会議を始める第一歩です。
対面で会議をするときは、自宅から会議室まで移動する必要があります。公共交通機関の運賃、自家用車の駐車場代やガソリン代などが発生します。遠方に出かけると、新幹線代や宿泊費がかかることもあります。
オンライン会議では、これらの費用が発生しません。
オンライン会議の導入にあたり、有料サービスの契約や安定的なインターネット接続環境づくりに新たな支出が発生することもあります。しかし、対面の会議でかかっていた経費が削減された分、オンラインの環境づくりに投資することもできるのです。
対面会議には往復の移動時間が発生します。会議の時間に加えて、移動時間も拘束されてしまいます。
オンライン会議は、自宅でも出先でも、インターネットに接続できる場所であればどこからでも会議に参加することができます。
移動時間が削減されることで、会議日程を調整しやすくなる場合もあるでしょう。例えば、会議時間に加えて往復1時間の移動があるならば参加できないが、移動時間がないのであれば参加できる、という人もいます。円滑な会議の実施は、市民活動の機動力の向上につながります。
オンライン会議の場合、従来かかっていた会場費やお茶代など、会議を実施するためにかかる費用が大きく削減されることになります。
ただし、オンライン会議の開催方法にこだわると、機材や利用するサービスによって経費が膨らんできます。オンライン会議の導入により、通常は会議に参加することが難しい人も参加へのハードルが下がる場合もあるかもしれません。
例えば、平日の夜に開かれる会議の場合、仕事を終えた後、市民活動に関する会議に出席するために再び外出することは体力的にも精神的にも大変です。一方、仕事を終えた後でも自宅からオンライン会議に参加するくらいであれば、出席を前向きに考えられる人もいます。
このように、これまで参加が難しかった人もオンライン会議の導入により新たな関わり方が生まれる可能性があるのです。
オンライン会議の快適さは、インターネットの接続状況によって大きく変わります。回線が混雑していれば動きは遅くなり、タイムラグが発生したり、音質や画質が落ちることがあります。
このことで相手の発言を聞き取れなかったり、伝えたいことが充分に伝わらない可能性もあります。最悪の場合、会議が中断する事態が起こるかもしれません。オンライン会議は基本的に少人数向けです。参加者が多いと誰が話したかわからないことがあります。発言のタイミングが他の人と被ってしまい、考えを伝えづらいこともあります。画面越しで行うオンライン会議は、参加者の表情や身振り手振り、雰囲気を読み取りづらいのです。
会議の進行役が「○○さんはどうですか?」と、発言者を指名するなど、小さな工夫や気遣いにより、コミュニケーションの問題を改善することができます。セキュリティ対策は、オンラインで何かをするときに欠かせない観点です。情報漏えいやウイルス感染を防ぐために、情報の取り扱いに関するガイドラインを作成しておくと良いでしょう。
この他にも、オンライン会議の場合、参加者の周囲の人に会話を聞かれる危険があります。限られた人だけがいる会議室でできた話が、オンライン会議ではしづらくなる可能性があります。周囲に人がいない部屋などから会議に参加する、イヤホンをつけてパソコンやスマートフォンから周囲に音が漏れないようにするなどの対策が考えられます。
オンライン会議のメリットとデメリットを整理し、デメリットへの対応方法を理解することで、オンライン会議導入のハードルは下がります。また、オンライン会議でできることがわかってくると、市民活動において、既存の活動で工夫できることや新しく取り組めることが見えてくるでしょう。