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−第36回(平成16年度)− |
冷たい土のかたまりは かたくかたく身を閉ざしていた 息を吹きかけるがごとく 語りかけるがごとく こねる ゆっくりとこねる やがて手のひらから伝わるあたたかさ 微動ではあるが確かな鼓動 わたしの想いは一気にふくらみ 果てしなく広がる しかし、それは息をするのもこわいくらい もろくこわれやすい 歪んではじっと見つめ 傾いては立ち止まる 想いの届かない苛立ち 分かってもらえぬ寂しさがつのる 土はまた身を閉ざす 傷を残してかたく冷たく身を閉ざす ひとりよがりをくり返し わたしの想いは途方に暮れる |
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