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![]() 座談会の風景 |
さる、7月24日(木)、岡山市幸町の西川アイプラザ5階ホールにおいて、「環境経営セミナー」が開催されました。これは岡山市が提唱するグリーンカンパニー活動の輪を広げ、また活動の内容の質的向上を目的としたものです。 すなわち●なぜグリーンカンパニー活動が必要か●グリーンカンパニー活動でどんな効果がえられるか●どんな活動にとりくめばいいのかなどの理解を深めることをねらったものです。
私たち二人の市民環境記者(広坂・大月)は、このセミナーの取材に行きましたが、予想を超えた参加者の多さに驚きました。そこで、このセミナーのパネルディスカッションのコーディネーターでもある岡山ユネスコ協会理事・池田満之さん、今回の仕掛け人・岡山市環境調整課長
内藤元久さんのお二人方にきていただき、セミナーの意義について改めて座談会形式でお話を聞いてみました。
参加申込み161社・191名 |
広坂 大月さん、このセミナーの取材に行ってみてどうでした?
![]() 多くの方が参加したセミナー会場 |
大月 私はこうした企業の会議とかセミナーは初体験なので、ビックリすることばかりでした。ホントにたくさんの人が環境ということに関心をもたれているんだなあと思いました。
広坂 私も正直なところこんなに多くの企業が参加されるセミナーとは思わずに会場に行って驚きました。
大月 エアコンは28℃に設定され"上着は脱いで"というのも環境セミナーらしかったです。
広坂 池田さんはパネルディスカッションのコーディネーターをつとめられましたが、ちょっと大変でしたね。
池田 パネラー全員に発言してもらうことと、なんらかの結論めいたものを出そう、と少し強引にやってしまいました。(笑)
広坂 この企画を推進された内藤課長はいかがですか。
内藤 予想以上に各企業さんとも熱心でした。最後まで帰る人が少なかったことにそれが現れています。また、これからが大切とも思いました。
広坂 企業の参加が多いのは市長も触れられていましたが、グリーン調達との関係もあるのでは?
内藤 それはあまり無いと思います。グリーン調達は多くの条件のひとつのファクターにすぎません。
広坂 私も参加されていた若い人にセミナー参加の理由を聞いてみたんですが、その人は、"自分のセールス活動上環境対策について知識がないと最近仕事がやりにくい"ので勉強にきてとのことでした。
内藤 セミナーのあとの相談コーナーにも多くの企業さんがこられました。
広坂 あらためて、グリーンカンパニー活動の基本はなにですか?
内藤 企業活動の中で環境保全にいいことを"できることからやっていく"ということです。
池田 市は一つの方向を具体的に示す必要がありますね。
内藤 そうですね。企業の環境保全活動を誘導する優遇施策も必要になってくるでしょうね。
池田 ISOの認証取得に似ていますが、やらされることが増えるとか、あまり経済的な負担にならないような配慮が必要なんじゃないですか。規制だからやるとかでなく、いずれ必然的やるという時代がきます。
有意義だったセミナー |
広坂 このようなセミナーは初めてですか?
内藤 これで2回目ですが、1回目はグリーンカンパニー活動のPRに終わりました。いわゆるセミナーという今回の形は初めての試みです。
池田 それにしても欲張りのスケジュールでした。(笑)
大月 環境省の川野課長補佐の話は興味深かったです。地球46億年史カレンダーの話で人類の出現は12月31日ということでしたが、既に地球規模の公害が拡がっているということで環境問題はみんなの問題だなと実感しました。
池田 環境問題はそういう地球規模の視点も必要です。たとえば、こどもたちに自分たちの実践活動と大きい視点との関係を教えてあげることをしなければなりません。
広坂 そうそう、先日テレビでフロンガスの国際的規制が南極のオゾン層の破壊を少し止めている、というようなニュースをやっていましたが、こういうのはこうした運動にはずみをつけますよね。
大月 節電効果がたとえば化石燃料の使用をどの程度抑えたか、など時々発表したらいいと思います。
広坂 各社のグリーンカンパニー活動の目標の中に必ず"節電"というものがありますが、あれは、電力会社さんなんか売上が減って景気が悪くなるんじゃないんですか?(笑)
大月 社会の習慣 ―たとえば永いこと公務員の方は公務中ネクタイをはずせないなどが、冷房効果上開襟シャツで仕事をしてもよくなったなど― を、環境というひとつの視点が変えてきているといえますね。
池田 世界中で風土のちがいはありますが、そういうことは出てきています。
内藤 そのほか、環境的に企業は悪者扱い(笑)という時代から、努力して環境保全のリーダー的存在になりつつあります。
広坂 それは私も在職中経験しました。10年前までは環境広告はなかなかスポンサーがつかなかったものです。いまはそれでなくちゃ話にならないくらいです。市長も環境への意識はひと昔前と一般的にも差がでてきているとあいさつでいわれていました。
大月 消費者の意識が企業活動に影響を与える時代になったことは事実ですね。消費者は"この会社は環境対策をどのようにしているか"を購買の参考にしています。
広坂 このニュースレターでも報告していましたが、まさに松下電器産業さんの環境政策でもそれが強く感じられました。
内藤 グリーンカンパニー活動を推進するといってもそれで企業の評価をすることは難しいと思います。このセミナーの目的もそうですが、企業間のネットワークは必要で、企業のレベルを上げる、あるいはそろえる事が大切なのです。
ですから、ISOの認証をとられた企業がもっとグリーンカンパニー活動に参加されてリーダー的なはたらきをしていただくことを望んでいます。また、マスコミなどがこうした方向のパブリシティ協力をしてくださることを期待しています。
広坂 こちらからも積極的に働きかけて行くことも、必要なんじゃないかと思います。
各社の報告とパネルディスカッション |
広坂 具体的にグリーンカンパニー活動を報告されたのは、アイサワ工業・高島屋岡山店・サンキョウ公害技術センター・千々木・松下電器産業(敬称略)の5社でした。この5社は池田さんが司会されたパネルディスカッションにも登場された訳ですが各社さんの報告はいかかでしたか?
池田 グリーンカンパニー活動の拡大のために各社が取り組まれている課題と、その解決の仕組みは何かを具体的に表現できればと。時間がないので焦ってしまいました。(笑)
広坂 短い時間でよく各社の問題点が出ていたと思います。
大月 環境保全意識の向上が常識化されている現代、事業者の環境負荷低減の配慮と取り組みが岡山市のパートナーシップ事業と結びつきつつあると思いました。
広坂 環境改善のために各社とも目標値の設定をしていましたよね。また、環境診断をして現状把握から始めるとか、機器の導入のとき業者に相談するとか、省エネセンターにいくとか、環境省の環境活動評価プログラムに挑戦するなど積極的でした。反面、この景況での環境活動に対する社員の苦情とか正社員とパートとの内容の徹底の差など、苦労も伺われました。
大月 建設会社では、資材の運搬時にロスの少ないよう車の台数や運送する道筋を選ぶなど意識の向上につとめられているのがよく分かりました。外でする仕事が多い企業では、夏、室温を一概に28度に設定できない事情もあるんだな、と勉強になりました。
広坂 景気は悪いわ、会社に帰れば暑いわ、と。(笑)
池田 従来は景況が悪い時の経費節減のための節電やリサイクルでしたが、今は環境保全のためのそれですから同じ金額で表すとしても、景気に関係なくずっと続けていく事が環境なんだ、とそういうことが表現したかったのです。
広坂 高島屋さんの"その人の環境意識の質が大切"と言う意見に結論めいたものを感じました。
池田 環境省の川野課長補佐のいわれた、"日本全体のことからみても地域での取り組みが大切ということ、それぞれの企業の経営トップの環境政策のマニフェスト化"の提言などが印象に残りました。
内藤 行政は環境に関しては規制と誘導をすすめていく必要があります。しかし、行政が前面に出るのではなく事業者が自主的に環境対策をやっていくというのが、望ましい姿だと思います。
広坂・大月 本日はお忙しいところをありがとうございました。
(まとめ市民環境記者 広坂)
企業の大目標として、社会から求められる企業になるということを揚げられています。その一環として、CO2排出の削減、建設廃棄物の削減とリサイクル、使用電力の調査・削減、燃料消費の削減、焼却廃棄物の減量など挙げられていました。ここ数年、最終廃棄物は減り、リサイクル率は上がってきているそうです。こうした実績を見ながら次年度の目標を立てているそうです。パソコンの電力使用の低減・車のアイドリングストップ・資材運搬の道筋検討など、実践してなければ分からない内容の説明がありました。
発表者の熱意が先に伝わってくる、といった感じの報告であったと思います。毎年1パーセントの節減目標で、10年で10パーセントと足し算では分かりやすい目標です。(ホントは、計算上もっと早いはずですが!)冗談はともかく一度に3パーセントもやると、次の年の目標ができにくくなるというのは、そのとおりだと思います。できる目標でやっていくことが、長続きの秘訣でしょう。お客様の多い企業での電力節減(証明を消す・エレベーターを止めるなど)は、どうするのかと聞き耳を立てましたが、事務サイドの努力がポイントのようです。いずれ、お客様にも理解・協力していただけるようになると感じました。"その人の環境意識の質が大切"という言葉は、いろいろやっていく中で会得されたのだと思います。
省資源、省エネ活動を目標にしているとのことです。電気・ガス・水道・ガソリンで、金額換算約80万円/年間の成果を上げているそうですが、企業規模からいうと大きな成果と言えます。紙ゴミの削減、社内の美化、社員のモラル・マナーの向上に努力されています。各企業の発注で環境検査を実施していますが、いまのところ、検査に止まる企業が多いとのことでした。
このニュースレターでも報告させていただきましたが、ISOにいきなり挑戦するのではなく、まずグリーンカンパニー活動から始めるということにした企業です。まず環境負担へのチェック〜CO2=電気・ガス換算、コピー、水道〜して負担低減の目標を決め、具体的な取り組みを決めると、社員への徹底を図るため、社内の必要箇所へどんどん張り紙をして意識づけをしているそうです。
この企業も既にニュースレターで報告しました。グリーンカンパニー活動の進め方と効果を、経営と環境の共存と位置づけている、といわれるとおり環境活動の目的は企業のPR、製品価値を高めることにおいておられるようです。それは消費者が企業の環境配慮の強さを、商品選択のポイントにしているという分析にもとづくものです。ライバル社の環境対策も視野に入れ、社員の"当社は環境対策をしないのか"という意識にもおされ、"見ればわかる、すぐできる"環境対策を細かに実施して来た結果が、環境先進企業の表彰につながったのです。出席者からの質問にまず省エネ診断を勧められていたのも環境対策先進者の経験から来るものでしょう。
岡山県が実施している各種アダプト事業の調印式が行われました。
6月11日に岡山県庁で「おかやまアダプト(県道や県管理河川の清掃・美化)」の調印式がありました。岡山市域からは39団体が登録し、代表として「砂川愛護辛川市場団体」が県知事、岡山市助役と合意書を取り交わしました。
7月には「児島湖畔環境保全アダプト(児島湖畔の清掃)」の、8月には「海面アダプト(海面の清掃美化)」の調印式が行われました。
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