岡山市尾上にある。吉備中山山麓の東側にある南浦に向かって開いた谷の最奥部に位置する。清心女子大学の体育館の裏側にあたるが、見学コースとしては、中山茶臼山古墳から東へ下る山道を用いるのが便利である。墳丘は径10mの円墳のようであるが、方墳である可能性もある。石室全長は6.0m、同最大幅1.5mで、無袖式である。石室の大半は埋もれているが、内部に兵庫県産の竜山石を用いた家形石棺の身が残されている。蓋はJR吉備線の備前一宮駅プラットホームに、半分であるが残っている。
本墳の特徴は、規模がそれほど大きくないにもかかわらず、竜山石製の石棺をもっていることである。同種の石棺は県下で13例あるが、そのうち吉備中山周辺では4例もある。当地が畿内と密接な関係であったことがうかがえる。おそらく、それらは吉備の有力豪族である三野氏の古墳であったと思われる。また本墳の時期についても、終末期に相当するとも考えられ、唐人塚古墳と賞田廃寺の関係と同様に、吉備津彦神社の南側にある神力寺廃寺の建立へとつながると考えられる。
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岡電バス「神道山」下車
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村上幸雄「古墳時代後期」『岡山県の考古学』吉川弘文館1987年 |
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墳丘写真 |
石室写真 |
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石棺蓋写真 |
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