吉備津彦神社の北、岡山市福谷にある飯盛山南側の尾根西側の斜面に位置する。径14mの円形の墳丘で、石室全長は5.66m、幅1.32mである。無袖式である。規模的にはそれ程でないが、三枚の巨石によってつくられた石棚が注目される。石棚の規模は長さ2.56m、幅1.3mである。石棚をもつ古墳は、県下ではほかに五基あり、岡山市域では岡山市栢谷の弥勒堂古墳がある。
石棚の機能については不明な点が多いが、埋葬のための台などに用いたというよりも、埋葬者、あるいは埋葬者を入れた棺の覆いとして付けられていた可能性が高いように思われる。石棚の分布は和歌山県と北部九州に集中しており、本墳も両地域の影響下でつくられたことも推測される。ちなみに、本墳の南側には北九州の宗像大社と同音の宗形神社がある。なお、宗形神社社殿北側には宗形神社古墳があり、埋葬主体は箱式石棺で、銅鏡や勾玉やガラス玉などの副葬品が出土した。
 |
中鉄バス「大窪」下車
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高田恭一郎「岡山市磯ヶ部古墳の測量調査」『古代吉備』第18集 1996年 |
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墳丘写真 |
石室写真 |
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