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それから何年たったでしょうか。 |
長い月日がたちました。 |
しかしおやぎつねは |
とうとう帰ってきませんでした。 |
おかあさんをさがして、 |
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山の中を歩いているうち、 |
こぎつねは大きくなりました。 |
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ある時、昔おかあさんと |
すんでいたすの近くにやってきました。 |
すると一本の木の下にぶどうが |
はえていました。 |
そのつるが木にまきのぼり、 |
たくさんのみごとなふさを |
さがらせていました。 |
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「こんなところに |
ぶどうがあったかしら。」 |
こぎつねはふしぎに思いながら、 |
そのひとつぶをたべました。 |
何とおいしいぶどうでしょう。 |
「ああ、おいしい。ああ、おいしい。」 |
こぎつねはのどをならして、 |
次から次へとたべました。 |
  
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