9月15日(木曜)に、オンラインで今年度第5回目のESDカフェを開催しました。一般社団法人コノヒトカンの三好千尋さんをゲストに迎え、フードロス問題や貧困問題について考えました。
一般社団法人コノヒトカンは、廃棄食材を活かして「コノヒトカン(ニクカン・サカナカン)」という缶詰を作り、フードバンクや子ども食堂に届ける活動をしています。
2020年春、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、岡山県に1回目の緊急事態宣言が出されました。外出自粛が要請され、飲食店やホテルも苦しい状況でした。三好さんは、地域を元気にしたいと、知人の飲食店関係者とともに「倉敷居酒屋マルシェ」を開催し、2ヶ月間にわたってお弁当を販売しました。
その中で、売れ残りや廃棄食材といったフードロス問題、孤立・貧困問題を感じ、これらの社会課題を解決できないかと動き始めます。
三好さんは、まずホテルや飲食店、市場をまわり、どのような食材・部位が余っているのかを調べました。あわせて、児童養護施設や子ども食堂で話を聞いたり、コミュニティフリッジなどで必要とされている食材を調べたりしました。
そして、肉と魚を使って、長期保存が可能で簡単に調理できる缶詰を作ろうと決めたそうです。
缶詰は、岡山県内の料理長団体の協力によってレシピを考案、食品事業者や農家から出る廃棄食材を買い取って、鏡野町にある工場で調理・製缶しています。三好さんは、岡山県内の多くの人々に関わってもらい、地域と連携することを大切にしたとのことです。
多くの失敗や試行錯誤の末、2020年10月、「コノヒトカン」が完成しました。
三好さんは、缶詰を支援配布するだけでなく、「コノヒトカン」に詰まった物語を伝えることを大切にしています。
缶詰のラベルに支援企業等の名称やロゴ、子ども達へのメッセージ「カンヅメモ」を載せることで、企業等の地域貢献を見える化しています。また、ホームページに支援状況を掲載し、地域で気にかけあえる社会を目指しています。
また、小・中・高校生を対象に、SDGsに関する授業の一環としてフードロス問題や貧困問題を一緒に考える取り組みも行っています。秋には、高校生からコノヒトカンの缶詰を使った社会課題解決アイディアを募集し、選ばれたアイディアを実現するコンテストを開催するそうです。高校生の「何かしたい」「行動したい」という想いを叶えたいとのお話でした。
参加者からは、団体の立ち上げ方、持続可能な活動にしていくための資金・雇用、今後の展望などに関する質問があり、活発に意見が交わされました。「自分が所属している団体でもコノヒトカンと一緒に何か取り組みたい」という声も出て、新たなつながりが生まれそうです。
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