
令和7年3月27日市長記者会見

令和7年3月27日市長記者会見資料

市長記者会見動画

林野火災
皆さん、よろしくお願いいたします。今日は、通常、事前に案件をお知らせしていたものは少し後に回させていただいて、取りあえず山林火災の話から申し上げたいと思います。
今日8時半から第2回の災害対策本部を実施したところであります。そこでの様々な担当からの意見もありました。それらを総合してお話を申し上げたいと思います。
被害状況については、南区飽浦から児島半島の北東側を中心とした山林で、昨日19時現在の状況で約559ヘクタールに及んでおります。建物被害については、発生当初の空き家、倉庫など計6棟が焼損と、前回の会見から変わりはございません。人的被害についてもございません。25日は強風により危険な状態となったため、風下である小串地区などに避難指示を出しております。光南台中学校、光南台公民館を避難場所として開設しております。
現在の状況について申し上げますと、先ほど申し上げました昨夜19時の約559ヘクタールから変わっておりません。さらなる延焼は食い止めている状況でございます。ただ、再燃も想定されるため、予断は許されない状況であります。
これまでの消防の対応状況は、地上からは岡山市消防局消防団と県内応援として県下全ての消防本部、空からは県外の防災ヘリ、陸上自衛隊からの応援を受けて、夜を徹して消火活動を行っております。
本日27日の消火体制でありますが、陸上部隊69台、397名、航空部隊ヘリ11機体制を予定しております。ちなみに、26日は316人の陸上部隊の体制でありましたので、80人、81人の増強を行っているところであります。
前回の記者会見では、当日中の火災鎮圧を目指すとして活動しておりましたが、2日続く強風の影響で飛び火による苦戦を強いられました。今後、風の影響が少なく、降雨も期待されているところであります。
本日から明日にかけて、ヘリによる広範な消火と火種がくすぶってるような小さな箇所についても最大限の人員を投入し、再燃を防ぐための地道な消火活動を積み重ね、鎮圧につなげていきたいと考えております。
これまで、人命最優先に加え、民家への延焼も阻止できているところであり、現在の山際に近い集落については、あらかじめその地域ごとに山に向けて消火ホースを配備しており、炎が近づいてきた場合も対応できるよう万全の態勢を整えているところであります。このような現在の態勢で消火活動等々に努力させていただいているところであります。
発生当時から一貫して我々として考えていた防御ラインといいますか、市民の生命、身体、そして財産を守っていこうということで、今人家への延焼防止というのは防げているところであります。消防隊員も相当疲弊をしているところでありますが、その陣頭指揮に当たっている消防局長から、消防隊の話、そして、今後の鎮圧の見込みについて少しコメントをしていただきたいと思います。
- 消防局長
本日の消火活動につきましては、地上隊に我々の消防隊全勢力を投入するとともに、上空からは消防ヘリ、防災ヘリと約11機体制で広範囲な消火体制を行います。それで、先ほど市長からありましたように本日は降雨も期待されるところでありますので、明日の朝の状況をしっかり確認をいたしまして、鎮圧に持っていけるかどうかの判断を行っていきたいと考えております。
我々は、先ほど市長がおっしゃいましたように市民の生命、身体、財産を守るのが任務であります。市民の皆様が日常の生活を取り戻せるよう消火活動には最大の注意を払いながらしっかりと行ってまいりたいと考えております。以上です。
- 市長
以上、陣頭指揮に当たっている消防局長の発言でございました。それから、周辺に暮らされている市民の方々ですが、今避難所に避難されている方々もおられます。そのような方、不安で夜眠れない状況が続いていると思いますが、我々としても最大限の対応を行っておりますので、いましばらくご不安とご不便をおかけしますがよろしくお願いしたいと思います。
そして、本日午後から改めて現地の消防現場指揮所、避難所の現地視察を、私自身また行かせていただこうというように思っております。そこでは、状況の説明を伺った上で激励をしてきたいというふうに思っております。
それから関連でございますけれども、林野火災に伴う保育園、児童クラブの対応であります。当該地区の保育園、児童クラブについては、子供たちの安全のため現在休園し、家庭保育をしてもらっておりますけれども、仕事などで保育を必要とする保護者もいることから、本日から別の施設で子供の受入れを開始したところであります。詳しくはお手元の資料をご覧いただきたいと思います。昨日、保護者の方にこれらの施設の利用希望を聞かせてもらいました。保育では78人、約50%、児童クラブでは24人、約28%の方から本日利用したいとの回答があり対応したところであります。子供たちが急な環境の変化で戸惑うことがあり得ますので、我々としては元の園の保育士や指導員がそこに行かせてもらって保育をするということの対応をさせていただこうと思っております。
また、保育については比較的遠いところから保育園に預けに来られている保護者もいるため、家の近くでもお子さんを預けられるよう一時保育を行っている園のリストを作成し、紹介をしているところであります。保護者の皆さんにはいつもより遠方にお子さんを預けに行ってもらうことになりますが、現状では今の保育園や児童クラブを開園することは難しいわけでございます。これらの施設に行ってもらわざるを得ないということでご負担をおかけしますが、子供たちの安全のためご協力のお願いをしたいと思います。 最後に、道路の状況を
- 都市整備局長
お手元にこのような位置図のほうをお配りさせていただいております。既にご存じかもしれませんが、県道を含めて計3路線通行止めをかけさせていただいております。児島湾大橋につきましては、一昨日の夕方から消火活動等の影響があるということから、通行止めをさせていただいております。市民の皆様には大変ご迷惑をかけておりますが、解除の見通しはまだ立っておりませんが、今後の鎮圧の状況、あるいは消火活動の状況を消防局、そしてまた警察とも協議しながらできるだけ早い段階での回復に向けて頑張っていきたいと思っております。以上です。
- 市長
我々からはよろしいですね。じゃあ、取りあえず山林火災についての現段階での我々が申し上げれることは以上でございます。何かご質問あればお受けさせていただきたいと思います。

質疑 林野火災
- 記者
今後の避難指示なんですけど、北に向かって今火が延焼しているよということなんですが、避難所が増える可能性というのはあるのでしょうか。
- 市長
これから場所がずれる可能性ということですか。
- 記者
今2地域に発令されていると思うんですが、それからまた増える可能性は
- 市長
それは当初の避難指示場所と、あと25日からの避難指示の場所は変わってます。これもやはり、風向きによって変化をしてくるわけでございますので、我々として先ほど言ったように延焼防止はきちっと対応はできているということですが、万が一のことを考えながら避難指示の場所を整理させてもらっているところであります。これからの風向き等々によって変化する、プラスアルファになるっていうこともそれは当然あり得ると思いますので、ご承知おきをいただきたいと思います。
- 記者
分かりました。あと、愛媛では災害救助法が適用されましたが、岡山ではそういった検討とか今されているのでしょうか。
- 市長
災害救助法の適用要件というのがありますから、それにのっとって今治のほうは対応ということになったんだろうというように思います。現在のところ、我々としては災害救助法の適用というところまではいっていないと理解をしているところであります。
- 記者
建物の被害とか、そういうところを見て判断されるということでしょうか。
- 市長
はい。
- 記者
もう一点。
停電が発生するおそれがあるということなんですが、電源車を配備する他府県とかもあるみたいなんですが、岡山ではそういった予定はありますか。
- 市長
あちらは四国電力の送電線で、その関係で停電の可能性がありということになっておりますが、岡山の今回の火災の場合は中電のそういう送電線等がかかってるという話は伺ってませんので、現時点で停電のおそれがあるということはないんではないかというように思ってますが。
- 記者
分かりました。
- 記者
2点伺います。
まずは、鎮圧の見通しについてです。先ほどの局長の発言を受け止めますと、少なくとも鎮圧が明日以降までかかると理解したんですけれども、市長は鎮圧、鎮火の見通し、今どのように見込んでらっしゃるのか、伺えますでしょうか。
- 市長
記者さんがおっしゃるように、市民の皆さんいつになったら鎮圧するんだということを思われていると思います。私にも何人かの方がそういうご質問をされました。今日の災害対策本部でもそこが最大の議論になったところでありますけれども、これは消防局長から補足があればやってもらいたいと思いますが、小さな火種のようなものがまだくすぶっている。そこもなかなか消防が入りにくいような山際とか、そういったところにあるということで、雨が降ればそれも消えていくということはあるんでしょうが、それまでにそういった地道な消火活動で全てが収まって鎮圧という宣言までは難しいんではないかという話がございました。もちろん状況によっては変わってくると思いますが、ただ今日のこの朝の段階でそれまでに鎮圧の可能性があるという表現は取りにくいと。だから、消火活動を行うとともにそういう雨の期待、それを併せて明日の朝以降判断させていただくっていうのが今の状況ということでありました。
- 記者
よく分かりました。もう一点伺います。
23日の日曜日に発生して今も懸命な消火活動が続いています。出火原因の究明というのはどこまで進んでいるんでしょうか。
- 市長
これも内部では議論にはなっておりますが、ただ出火原因を推測で言うっていうわけにはなかなかいきません。消防としてもきちっと整理をし終えた上で、出火原因についてもお話ができる段階になるんじゃないかと思っております。現在のところは、それよりも消火活動に全力を尽くすということであります。よろしいでしょうか。
- 記者
消火活動ご苦労さまです。
今回の消火活動について、なかなか困難さ、大変さもあると思います。それについて2点ほどお伺いできたらと思うんですが、まず1つは消防職員さん、消火活動に従事する職員さんや消防団さんいうのは人手不足、なかなかマンパワーっていうところが大変だと思うんですけど、そこのあたりはご認識っていうのは、なかなか人手も足りないような状況なのか、どういうふうな人数の変遷になってるかっていうところと、あともう一つ、消火活動が困難になっているという要因ですね。消火するに当たっての地形的な要因、消防車を出せないとか、そういった辺の困難さがあるかどうかを聞けたらと思います。
- 消防局長
2点、ご質問をいただきました。
人手の面についてでございます。我々、市民の生命、身体、財産を守るために活動をしておりますが、平時の守り、例えば火災、救急救助、その守りはしっかりとやりつつ、その他の人員を活用して我々の岡山消防局、岡山消防団、今活動していることに加えまして、県下の各消防本部、これ全てから人員、資機材を出していただいて活動して、それでローテーションを行って活動をしているところであり、現在人員についての問題点等はございません。
それと、活動を阻害する要因についてのご質問があったと思いますが、これは先ほども申し上げましたとおり、強風の条件であったり、乾燥状態であったり、気候条件というのは刻々と変わりますので、そういうのに合わせた活動は必要だということで、そういう細心の注意も払っていくところでございます。
加えまして、地形面、やはり山火事でございますので、道がない、人が入れない場所で出火しているところが多数あります。これについては、車両が入れないということはホースも伸ばせない、もちろん急斜面であり谷底であったり、人が入れないということになりますので、その広範囲の部分については、これはもう上空からの効果的な、ヘリコプターからの散水に頼らざるを得ない状況ですが、11機体制で今そこはやってますので、これからもそれを継続して行っていきたいと考えております。以上です。
- 市長
記者さん、今の補足になるんですけど、この日曜に火事があるということが分かってから、県内の市長たち、電話があったりメールがあったり、もう何でも対応させてもらうと。機材はこんな機材があるんだけどっていうような話もあります。それから、県外も多くの市長、また政令市の市長たちからも同じような応援のメッセージないしは実際上の応援を多くいただいております。
どちらかというと、我々、災害が少ないところでいつも送り出しているところだったんですけれども、これだけ多くの首長さんからお話をいただくっていうのはすばらしいことだなというように思っております。
愛媛のほうは緊急消防隊が出ていくということになってますが、我々はまだそういうシステムとしてそれを使うということにはなっておりませんけれども、そういう面では全国の首長さん、各市から応援をいただいているということをご理解いただくのと、大きいのは自衛隊ですよ。自衛隊は、例えば岡山市のヘリで行くと1回に上から落とせる水は500リットル、それに対して自衛隊のヘリは5,000リットル、10倍の力を持っている。そういったことが官房長官の話の中にもありましたけれども、本当に自衛隊によく支援していただいているという認識であります。今日もフル活動していただけるというように理解しております。
- 記者
2点、確認をさせてください。
先ほど、市長、今日の人員体制、地上の強風とおっしゃられてたかと思うんですけども、日曜日の発生以降でこれが最大規模という。
- 市長
最大だよね。
- 記者
今日は午後から雨も期待されてくるにあたって、徐々に人員は増えてるとは思うんですけども、鎮圧はあした以降の判断ということになるかもしれないですけども、今日改めて人員を最大限投入することである程度鎮圧状態に近づけるように持っていきたいという、今日はそういう。
- 市長
持っていきたいというのはそのとおりです。だから、災害対策本部でもどこまでの市民に訴えられるんだという話があったんですけども、ただ397っていう最大の人間を投入してやってる、それは周りの応援、そして我々の意欲もくんではもらいたいと思いますが、それでも鎮圧っていう表現はなかなか取れないということなんで、現地の状況、行ってみると、ヘリから撮った赤外線の、燃えてるところが赤く出たりするんでまだ結構あるっていう話もありますから、なかなか記者さんの意図はよく分かるんですけど、その言葉を使うのは駄目だと明確に言われておりますんで、よろしくお願いいたします。
- 記者
あともう一点、すみません。
今日朝、災害対策本部が開かれたということで、先ほどの市長の話の中にも度々概要は出てきますけども、今日の本部ではどういったことが話し合われてという内容について教えていただければと思います。
- 市長
今日は、消防、そして危機管理は避難所の状況、そして南区長からは避難所での声などの話がありました。そして、岡山っ子育成局からは保育園、放課後児童クラブなどの問題、それから都市整備からは道路の問題、今までは学校の話があったんですけどもう休校になりましたから、学校のほうでは特段話はありませんでした。そういったところが中心で、もう皆さん何とかしなきゃという感じで消火活動に全力というモードでありました。
- 記者
避難について。今回、避難指示を1回初期の段階で撤回されたという経緯があったかと思うんですけれども、その後にまた火が広がって、また再度避難指示が出るということになりましたが、そのときの判断について大森市長はどういったふうに思ってらっしゃいますか。
- 市長
まず第1に、月曜段階での話では、風さえそれほどなければ鎮圧ができるんではないかというような読みがありました。でも、そこで風が吹いてきたわけであります。避難指示は出してますけれども、当該場所っていうのは、あれはどこでしたっけ、最初は飽浦と宮浦に出したんですね。それは、火から割と隣接してるというんで、ここは危ないぞということで避難指示を出させていただいたと。そこ自身は、もうそれは大丈夫だということで避難指示を解除したんですが、今度は風向きによって、今は違って小串の東のほうに出しているということであり、我々としては避難指示というのは本当に危ないということをきちっと意思表示をする、意思表示をすれば当然ながら単にメディアの皆さん方にお知らせするっていうだけじゃなくて、例えば県警の方にお願いしてその地域を回ってもらってお知らせするっていうようなこともやってるところであります。だから、最初に出した地域と2回目に出した地域はちょっと違うっていうことをまずご理解をいただきたいと思いますし、若干延焼の可能性のあるような地域は指示を出して避難をしていただく。その考え方自身に何の変化もないと理解しております。
- 記者
分かりました。
その一方で、避難状況を拝見しますと、なかなか多くの方が避難されているという状況はないかというふうには思っています。そちらについては、市長から改めて連絡をされることはありますでしょうか。
- 市長
避難っていうのも別に避難所に行くだけが避難じゃないですよね。そこの、現在住まわれているところが危ないという認識を持っていただければ、避難所じゃなくて、例えばこちらのほうに親戚ないしは友人のところがあれば来ていただくっていうのも避難だと思います。中学校で夜を過ごされるっていうのは、なかなか一般の普通の方にとってしんどい面もあるんじゃないかなというようには推察をされます。したがって、避難所だけじゃないということと、それから小串と言ったって広いですから、ここで、自分の判断で山から相当離れていると、少なくとも延焼と言ったってある程度の時間がかかるだろうという判断も、それはゼロじゃないと思います。したがって、重要なことは、避難指示が出てるということをきちっと認識していただいて行動を取っていただくということだろうと思ってます。
- 記者
道路の通行規制のことで見通しを教えていただきたいんですけれども、県道45号の北浦とか閉め切り堤防の辺りが朝夕今すごく混雑をしているんです。これの規制の解除は明日以降になる見通しでしょうか。
- 都市整備局長
都市整備局長です。
現在、消火活動を最優先でやっておりますので、消火活動の邪魔にならないようということで交通規制をかけております。それとあと、鎮圧の状況を見ながらですので、ちょっと今日中の解放というのは難しいと思っています。あした以降、その状況を見ながらまた道路の損傷状況をその後確認して、関係機関と協議して解放のタイミングを設定していきたいというふうに思っております。
- 記者
今日の午後に改めて再度現場を視察されるということですけれども、今回は具体的にどんなところを視察されたいというお考えなのでしょうか。
- 市長
まず、先日行かせていただきました、それも現場指揮所に行ったんですが、現場指揮所自身も場所も変わってます。大分状況が変化をしてきております。南消防署の署長、副署長たちが現場の指揮を執ってるんですが、それをまずは肌感覚できちっと理解をするっていうことが必要だろうと思っております。したがって、状況の報告をひとつお伺いをしたいと思います。
それから、日曜からずっと消防局員、団員がご苦労されているので、その慰労も激励も兼ねているところであります。
それから、危機管理そして消防の幹部も一緒に行かせてもらってます。そこで、今まで我々が災害対策本部で議論していることで修正することがあれば修正させていただき、我々の考えていることが十分伝わってないところもあればそれを伝えていくということになろうかと思います。
- 記者
あと一点。
今回の山林火災、現時点ではその火の勢いっていうのはもう市のアンダーコントロールの下にあるというふうに受け止めて大丈夫……。
- 市長
アンダーコントロールってのが難しいですよね。何が一番ポイントかっていうのは、一番は記者さん、我々がずっと考えてるのは、市民の生命そして身体、財産を守るということだ。そういう面では、延焼防止っていうのはラインをきちっと設けてやっているんではないかと、私は立派だというように思ってます。
たしかに、当初、空き家と倉庫が6棟燃えましたけれども、それは財産ではあるわけですけど、当初のことでもありますし、やむを得なかったんではないかなと。人家、人が住んでるような民家には行ってないというところが一つの私は大きなポイントだろうと思っております。
今も、消防局長以下、それを最重点に消火活動を行っているということであります。
- 市長
他の案件もあるから、火災関係の人はここで結構ですから。
本来であれば、会見時間を終わっているぐらいの時間なんですが、4件整理しておりますので、簡単に申し上げたいと思います。

緊急空洞調査結果について
初めに、緊急空洞調査結果であります。
埼玉県八潮市の下水道管に起因する道路陥没事故を受けて、岡山市では、直径2メーター以上で築造から40年以上経過した下水道管が埋設されている路線約9.3キロに対して、地上から道路下の空洞探査を行いました。調査の結果、異常波形が39か所で確認され、そのうち道路陥没につながるおそれが高いと判断された箇所は5か所でありました。
この5か所のうち、下水道管渠が原因と考えられない1か所については、道路管理者である国土交通省、岡山国道事務所に情報を提供し、対応を依頼しております。残りの4か所に加え、経過観察としていた1か所を追加した計5か所に対して、掘削による目視確認を行ったところ、4か所で空洞が確認されました。空洞は全て、広さや深さから判断して直ちに大きな事故につながるものではありませんが、小規模な事故が起こる可能性があるため、確認後、空洞を埋め戻して舗装を復旧し、現在は安全な道路として通行していただいております。
空洞が確認された4か所のうち、北区清輝橋3丁目9-15付近と、北区富町2丁目3-10付近の2か所について、管内調査により幹線管渠に接続している取付け管の接合部から少しずつ土砂が入り、数年後には再度空洞が生じ、道路陥没のおそれがあるため、現在、取付け管の修繕方法について検討しております。
また、3月18日に、国から下水道管路の全国特別重点調査の実施の要請がありました。具体的には、管径2メーター以上、平成6年度以前に設置された下水道管渠を調査対象とし、管内目視やカメラによる点検を1年を目途に実施することとされております。
調査に際し、社会的影響が大きく、大規模陥没が発生しやすい管路については、優先度をつけて実施し、夏頃までに終えることとされております。具体的には、これから申し上げるような箇所でありまして、埼玉県八潮市の道路陥没現場と類似の構造、地盤条件の箇所、管路に腐食しやすい箇所、陥没の履歴があり交通への影響が大きい箇所、沈砂池の堆積土砂が顕著に増加した処理場、ポンプ場につながる管路。
岡山市における下水道管路の全国特別重点調査への対応については、2億円の費用が見込まれます。予算措置についても、今後考えていかなければならないと思っております。この重点調査により不具合が確認されれば、順次、修繕を行っていきたいと思います。
今後、八潮市の事故を教訓に、下水道管を健全に維持していくためには継続的な取組が必要であり、今後ともしっかりと取り組んでいきたいと思います。

企業立地推進事業補助金の要件緩和と拡充について
次に、企業立地推進事業補助金の要件緩和と拡充であります。
岡山市では、地域経済の活性化、雇用の創出を図るため、工場や物流施設等の企業誘致や、市内企業の再投資の促進に積極的に取り組んでおります。企業の人材確保は厳しさを増す中、立地を検討している事業者や経済団体から、設備投資はしたいが人材の確保が困難であり、現在の補助制度では雇用者数の要件を満たすことができないといった意見を伺っております。
また、物流業界においては、2024年問題等により人手不足が深刻化しております。自動搬送装置など、省人化、省力化を図るための大型の設備投資が不可欠な状況であり、先月、岡山県倉庫協会末長会長から直接、物流施設の立地に関する支援の拡充について要望をいただきました。
こうした状況を踏まえて、要件緩和により補助金を活用しやすくすることで、企業の立地要件をさらに進めるため、令和7年4月から、他都市に先駆けて雇用要件を撤廃するとともに、物流施設に対する補助金を拡充いたします。なお、雇用要件の撤廃については、我々が承知しているところでは同様の補助制度を持つ政令指定都市では初めての取組になります。
今回の補助金の主な改正内容について説明いたします。
ここが最大のポイントなんです。例えば、今まで大企業であれば30人、中小企業であれば10人、新たに雇用する、こういうような前提となって制度が出来上がっていました。これをやめる。工場等の再投資は、維持または創出するっていう要件があったんですけども、これもやめる。先ほど言った物流、2024年問題で相当ご苦労されているようであります。今までは、大企業10人、中小企業5人ということになってましたが、これも撤廃するということにさせていただきました。
2つ目は、物流施設の補助金について、省人化や省力化を図るための設備投資など、機械設備に対する補助金を新設する。固定資産の取得価格の3%を交付する。また、人材の確保や育成に対する支援である人材確保奨励金を現在の20万円から60万円に増額。
岡山市では、昨年の11月、経済団体からの要望を踏まえて、産業拠点周辺の市街化調整区域の開発許可を緩和しました。そうしてみると、新たに立地を検討する企業が今は30社近く出てきております。岡山って、政令指定都市の中では、製造業などの割合が結構大きいところでもあります。そういうニーズも大きいということで、この市街化調整区域の緩和の問題ってのは、うまく企業側の要請にフィットしたかなというように思っておりますが、今回の雇用要件の撤廃も同じように企業側のニーズに私は合うんではないかなというように思っております。ぜひ活用をしていただきたいと思います。当然、経済界にはお話は申し上げておりますけれども、各メディアの皆さん、ぜひこれを書いていただいて、企業の皆さん方に宣伝していただければというように思っております。

省エネや生産性向上・競争力強化に資する設備投資の支援
あと2つあります。
1つは、省エネや生産性向上、競争力強化に関する設備投資支援であります。
まず、岡山市の省エネ機器更新緊急支援補助金第4弾であります。これは、第1弾から第3弾と、それぞれ5億円でやりましたけれども、非常に人気が高く、企業によってはずっと落ち続けてるという話も伺いました。これではまずいということで、第4弾を行うことにいたしました。岡山商工会議所、岡山北、西、南商工会、赤磐商工会から要請を受け、この2月議会で補正予算措置をしたものであります。
補助上限額200万、補助率3分の2、対象事業は更新により5%の省エネ効果が見込まれるものなどであり、事業概要はこれまでと同じだが、第1弾から第3までのいずれかで補助金交付を受けた事業者は対象外とさせていただきます。本日からコールセンターを開始いたします。申請は5月7日から5月20日までをオンラインで受け付けます。共同実施者である岡山商工会議所そして岡山北、西、南、赤磐の4商工会において、対面でのサポートを実施いたします。
2つ目、岡山市中小企業支援事業補助金であります。
生産性の向上、競争力の強化等に取り組む事業者の設備投資を支援するものであります。
皆さんご承知のように、足元の経済状況、賃金上昇が物価上昇に追いついていない状況が続いています。企業の賃上げは大きな課題の一つであります。これまでの設備投資補助金を拡充して、新たな分野に進出しようという企業に手を差し伸べたものであります。新分野進出枠は、新商品、サービスの製造や新市場の開拓等、既存の事業では行っていない新たな取組のための機械設備、システム構築費等を補助対象とし、補助上限を最大500万としております。申請は5月7日から6月30日まで郵送で受け付けます。専門家が審査し、採択をするところであります。ぜひ役に立てていただければと思います。

岡山市で導入する支線バスの「車両デザイン」がWEB投票で決定
最後の話題ですが、皆さん方は我々のほうで公共交通のシステムを大きく変えようとしてるっていうのはご存じだと思います。そのために制度として幾つかのことをやらせてもらってるんですけれども、今回は支線バス。幹線と支線に分けるわけですね。支線バスの車両デザインが決定したということであります。
分かりやすく、親しみやすいサービスとなるよう、支線バスの車両や乗り継ぎ空間、バス停などをトータルデザインで対応していく、整備していくということです。
フラットって意味分かりますか。記者さんは分かる、勉強してるんだ。記者さんは分かる。だよね。ほんで、普通見ると平面って意味なんですけど、これ私が後から聞いて、えっと思ったんですけど、ふらっと乗ろうっていうそういう意味なんですって。Tっていうのがプラスのイメージもある。こっちから質問しちゃいけんですよね。そういう意味で、なかなかやるなという感じではあるんですが、それであります。これ。シフト、これ記者さん、分かる。
- 記者
シフト、モードを切り替える。
- 市長
そうそう。さすがですね。
だから、新しい交通システムにシフトして替えていく、そういう意味のようであります。
いつも質問ばかりされてますから、質問するのもいいかなと。
先月開催した協議会では、支線バスの小型車両のデザインについて、コンセプトに基づき作成したイメージカラー3案と車両デザイン3案の組合せによる計9種類から選定する方針で、2月14日から2回目のウェブ投票を実施し、1回目の約2,900名を超える4,049名から投票をいただいたところであります。
イメージカラーは、ひかり輝く、晴れの国・岡山の日差しを表現したシャインイエロー、こういう色ですね。それから、車両デザインは、白と黒のイメージカラーの3色構成のデザインが、得票数17%、672票を獲得して、1位となった。結構接戦だったらしいですよ。
ということで、支線バス第1号の妹尾北長瀬線は国から3月18日に認可をいただきました。計画どおり4月1日の始発便、7時10分から運行を開始いたします。
これは八晃運輸のめぐりんの車両を活用するわけですけれども、4月1日はまだめぐりん仕様でやらせてもらって、このデザインへのラッピングをその後に行う。まだ日程は固まってないようですけれども、他の支線バスとの統一も図っていくということであります。
4月1日は、妹尾の駅で11時から出発の式典を開催いたします。本日配付した時刻表をご確認いただき、ぜひ妹尾北長瀬線に乗ってお越しいただければと思います。
私からは以上です。

質疑
- 記者
空洞の緊急調査の関係で、国からまた調査の要請が来ていると思うんですけども、先ほど市長の説明ありましたように、岡山市としての着手時期の見通しですとか、国の求めている優先度の高いものは夏までですとか、トータルは1年以内に報告というふうに組合で言ってますけども、それは実現できるのかどうか、そのあたりの見通しをお願いします。
- 市長
そうなんですよね。まずは我々が必要だと思われる下水管について整理させてもらったと。それで皆さん方にも発表させてもらった。一方で、国は国として考えている。統一的にこんなやり方でできないかと言ってきたと。それはそれで、我々としてはやっていく。決まっているのはそこまでなんですよ。それ以降、どうこれから具体的に、我々も維持管理していくのかってのは決めていかなきゃならない。ですが、取りあえずまずは国の調査もやり、我々の調査と併せて、それをもって今後の方針っていうのを出していきたいと思っています。
したがって、ここで我々として今後の方針はこうですということをまだ明言できる段階にはなっておりません。ただ、今回調査をした中で、空洞はやっぱり見つかっている。大規模な事故にはつながらないだろうというんですが、空洞も見つかってることは事実ですから、それらを今後放置していけばいいということにはならないだろうと思っております。対応を考えていきたいと思います。
- 記者
同じく空洞調査ですけれども、まずは改めて今回の結果をどう受け止めと、どういう気持ちで早めに岡山市として取り組まれたのか、市民に対してどういう思いでこういう調査が必要だったのか、改めてお気持ちを聞かせてください。
- 市長
八潮市の事故っていうのはショッキングなものでありました。我々岡山市でも同じような箇所があるんではないかということで緊急調査をしたわけであります。しかしながら、大規模な事故につながるとまでは言えるような空洞はなかった。そこは一面、ほっとしています。しかしながら、空洞が見つかったことも事実であります。そこに例えばオートバイが突っ込んでいくと事故につながっていくわけであります。それらの実態を踏まえて、どうこれからしていくかっていうのを考えていかなければならないというように思っております。
よろしいでしょうか。
- 記者
関係ない話で恐縮なんですけれども、1点、ファジアーノのスタジアム問題について質問をさせていただければと思います。
今回、ファジアーノ岡山J1昇格に伴って、アウエーの観客がなかなかスタジアムに入り切らないだったりとかっていう問題が発生しています。
こちらについては新しいスタジアムを造るべきなんじゃないかっていうような意見が出ていると思うんですけれども、こちらについて市はどういった対応をされていかれますでしょうか。
- 市長
私は常に、ファジアーノのJ1昇格のお祝いのときも申し上げたんですが、J1になるということは多くの人が見に来られる。今、アウエーの話をされましたが、岡山市ないしは岡山県の人たちも、J1の試合を見たいといっても見れない状態が続いているわけであります。
そういう面では、今後、私は新スタジアムも一つありますけれども、そういう大きな面での試合環境の整備っていうのは必要なんではないかなというように思っております。
一方で、今度は岡山市側の対応から見ていくと、現実に現スタジアムは運動公園の中にありまして、それは県が運営、管理をされているものであります。
新スタジアムとなると、どこが主体となるかは明確にはならないわけでありますが、我々としては今、アリーナの整備を主体的に動いているところであります。どれだけ民間の資金が集まってくるかとか、様々な不確定要因はありますが、相当のエネルギーと財源がアリーナにも必要となってくるということから考えると、試合環境の整備について我々が主体的に対応していくっていうのは難しいんではないかなというように思っております。
ただ、岡山市民、岡山の県民にとって非常に重要なことだろうと思いますんで、我々は、お話をいただければ、積極的に対応していきたいというように思います。
- 記者
今、アリーナの話も出ましたけれど、アリーナとスタジアムだったら、環境の整備っていうものを並行して行っていくに当たっては、具体的にどういった課題があると考えていらっしゃいますでしょうか。
- 市長
まずは、並行的にやるかどうかっていうのはよく分かりませんですね。それぞれの必要性っていうものがあるんじゃないかと。
アリーナについては、もちろん最初のシーガルズほかプロスポーツの、トライフープも、方々からお話をいただき、今のままでいくとバレーボールリーグでは対応できない、またバスケットでも対応できにくくなっている、こんなことからスタートをして、採算面を考えてみると、規模も少し大きくしたほうがいいと、それでコンサートなどをやったほうがいいんではないか、市民もそれを期待しているというところからアプローチが来ているわけであります。
今度は、新スタジアムのほうは、ファジアーノがJ1になりましたと。今のご指摘のようなアウエー、そして市民、県民の皆さんが見れない、こういう状況で、どうすべきかというところで、私は必ずしもそれは一体的にやらなきゃならないものではないんではないかと。ただ、主体となり得るところってのは限られますから、それらは完全に別物ではないかもしれませんけれども、それぞれの議論が必要だろうと思ってますが、我々のほうに試合環境の整備をしたいという話は県のほうからは伺っておりません。
- 記者
県のほうから来てないってことだと思うんですけれども、来た場合、財政的な問題も……。
- 市長
あると思います。もちろんあります。
積極的に対応するっていうのが、市民の税金を預かってる我々として、どこまでできるのかということが、当然前提になるわけであります。そういう市民の税金の預かっているという、したがって別の言葉で言うと財政の健全性は維持していかなきゃならない。そういう中でどこまでできるのかっていう議論だろうというように思っております。
アリーナについても、市だけじゃなくて県全体に、もっと広い範囲で、大きな影響を与えるものだから、各市町たちもぜひやりたいと言っていただいている中であります。もう県の話はここではいたしませんけれども。
- 記者
私からはバスの車両デザインについてお伺いしたいんですけれども、まずは4月1日からついに再編計画がスタートするわけでありますが、改めてこの計画が軌道に乗るには市民の利活用というところが一つキーになると思うんですが、今回このバスのデザインが発表されましたが、利活用につなげるという観点などで市長はまずどう評価していらっしゃるのかというところが1点。
あともう一点は、このバス、それこそ4月1日からめぐりんでスタートされるということでしたが、市民に具体的にお披露目といいますか、活用が始まるのはこの妹尾線で、でき次第なのか、それとも10月の西大寺、高島方面の導入と同じになるのか、いつ頃お披露目になるのかという、2点お願いできますでしょうか。
- 市長
1点目は、記者さんおっしゃるとおりですよ。こういう支線を統一的なデザインでやっていく、これは市民の皆さん方にまずは浸透させたいという思いであるわけです。便利なんだということで、乗ってもらいたい。今回の北長瀬妹尾線も、見ていただければ、JRの発着から非常にスムーズに乗れるようになっています。発着と近接している形になってますんで、そういったものを実感していただく必要があるだろうということで、この統一するデザインにさせてもらっているわけであります。我々も発信していきたいと思いますが、これは各新聞、テレビ局、ぜひお願いをしたいなというように思います。
2点目は、担当課から。
- 担当課
2点目は、いつ頃お披露目かというお話でございます。今、そのデザインが決定したところでございますので、細かい部分の色の設定なんかをやっているところでございまして、2つあるうちのキャラバンっていうのが小型の車両でございますが、これは10月からの運行開始予定の路線で使う予定しておりますので、夏頃には1回、お披露目が可能かなと思っております。
それから、ポンチョ、大きいほうについては、これから予算で発注してまいりますので、ここで1年ぐらい、今、車両の納車に時間がかかっておりますので、年度末にはお披露目できるかなというふうに思っております。
それから、八晃さんのポンチョ、塗り替えも今、予定しておりまして、そちらもこれ車両の細かい部分のデザインの設計をやりますので、年度内、令和7年度内には塗り替えをしていきたいというふうに思っております。
以上でございます。
- 市長
もう、でもどれだけ利用してもらえるかっていうのが大きいですよね。今までは、どんどんどんどん家が郊外に行って、自家用車での通勤通学というのがもう圧倒的だったんで、それを変えていかなきゃならない。これが一つのシフトの意味でもありますから、メディアの皆さん、よろしくお願いしたいと思います。
- 記者
案件外で恐縮なんですけども、先日、岡山市長選の日程が正式に決まりまして、改めて任期満了まであと半年ということになりますけども、現時点での市長のお考えをいただければと思います。
- 市長
山陽新聞に私のコメントが載ってました。
まだ、私もこの12年間やらせてもらって、一定の成果は出てきてるんではないかというようには思ってますが、ただ課題が多いのも事実であります。そういう状況下で、今、10月の選挙に出馬するかどうかを考えているところであります。
岡山市をよくしていく、岡山市民の生活を充実させていく、これは今日もスタッフと共に今、取り組んでいるところでありますが、市民の意見という面から見ると、この二元制で議会の話もあります。議会の皆さんとも十分、今までも議論をさせてもらっているわけでありますが、そういった方々との話もあると思っております。これからしかるべきときにどうするかって判断をしなければならないわけですが、それまでには議会の皆さん方とも相談をさせていただき、最終的な意思決定をしたいと思っております。