目次へもどる前のページへもどる次のページへすすむ
【第4号 平成14年9月17日 発行】

 活動紹介

 今回は「アダプト・プログラム部門」の中から1団体、地球市民部門の中から1団体、グリーンカンパニーの中から1団体を紹介します。

【アダプトプログラム部門】

 団体名 下吉田町内会  (岡山市河原)

 岡山市最北西部の福谷学区は田園や山林に囲まれた地域です。下吉田町内会では、福谷小学校から真星につながる市道の草刈りをしています。工事で道路がきれいになったので折角なら草を刈ってきれいにしようと法面の草刈りをはじめました。広範囲を少ない人数で大変きれいに刈っています。大変だけれども自分の範囲を刈ることで全体が美しくなるので頑張っています。美しくなった法面へは植樹を行い、季節には花が楽しめるようになっています。福谷地区では、こちらの町内会をはじめ、ホタルの保全活動、地域の宝物を再発見する「おもしれぇマップ」作成やそれを活用したイベントの開催、ゴミ・リサイクル問題の追求など多様な環境保全活動が行われています。福谷小学校でも、今年、「田んぼの学校」という農業や環境を子どもと地域で見直す活動を継続的に行っており、ビオトープづくりやソバづくり、炭焼きなどを地域と学校が協働で行っています。下吉田町内会の方も協力されているそうです。せっかくの豊かな自然を活かしたくらしや地域づくりを気負わず楽しくやっている、そんな地域の活動がここにあると感じました。(友延)

写真: 市道の草刈り・植樹写真: 写真: 市道の草刈り・植樹
きれいに草刈りされた法面と、植樹された木

 

【地球市民部門】

 団体名 おかやまエネルギーの未来を考える会(略称エネミラ) (岡山市広谷)

 人類の抱える問題の中で、最も大きなものの一つが地球温暖化問題です。その主な原因である二酸化炭素の排出を削減するためには、エネルギーの大量消費や化石燃料依存の生活スタイルを見直すことが不可欠です。

 そう考えた市民が省エネルギーや自然エネルギーなどについて学び、活動を始めたのが、エネミラ(おかやまエネルギーの未来を考える会)です。環境に負荷を与えない自然エネルギーの利用と、省エネを進め、持続可能な未来を子ども達に手渡したいと活動しています。発足は2000年7月。生協活動で知り合った主婦らで始めました。

 活動としては、省エネや自然エネルギーの重要性をよく理解するための学習会や見学会を開催したり、さらに欧米での先進的な取組等を学ぶために講師を招いての講演会も実施しました。

 また、晴れの国岡山には太陽がサンサンと降り注いでいることに着目し、太陽光・熱による「市民共同発電」を行うことを決めました。その第一弾として、岡山市立中山保育園(一宮)に、太陽光発電設備等を設置しました。9月7日に、点灯式が行われ、式の後に見学会も催され、多くの人が見学に訪れました。設置費用の半額は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの助成金を受け、残りの半額は多くの人々からの寄付金(おひさま基金)でまかなう予定にしていますが、募金はまだ目標には達せず、今後も募金活動を続けていきます。発電した電気などは保育園で使ってもらい、市からは電気代相当分が支払われます。そのお金は次の施設整備などに役立てられる予定です。

 代表の広本さんは「まったなしの温暖化防止のために、エネルギーを効率よく使うことと、クリーンなエネルギーを利用することが大切なことを大勢の人々に知らせていきたい。」と話していました。(井垣)

※問い合わせは同会・事務局(TEL 086-943-1831)へ。

写真: 市民共同発電点灯式の様子 その1写真: 写真: 市民共同発電点灯式の様子 その2
市民共同発電点灯式の様子 保育園の屋根に太陽光パネルと太陽熱温水器が見えます

 

【グリーンカンパニー】

 団体名 藤亜建設工業株式会社 (岡山市藤田)

 ステップアップ部門に登録の「藤亜建設工業株式会社」は藤田の田んぼの中にあります。岡田 彰 社長にお話を伺いました。

「地域を大切に、すぐ実行することが大切」

 社長さんのお話しによると「建設工事は必ず周辺に迷惑をかけるので嫌われている。肝心なのはできることをする努力」であり、「工事現場では安全、整理・整頓が一番大事」「工事現場周辺や進入路では必ず定期的に清掃作業をしている」また、「工事現場にある樹木は伐採せずに社有地に移植し、剪定した枝はチップ化して資源化している」とのこと。市政についても環境問題についてもいち早く情報をつかんでいることが印象的でした。

 「以前からしていたことを登録しただけ」だそうですが、ISO9002取得に続いてISO14001の取得に向け、市のグリーンカンパニーをステップアップと位置づけて年次計画を立てています。

  「地球環境問題はむずかしい」と謙遜する社長は新しい焼却炉をさして「勉強してダイオキシンなどの有害物質が出ない焼却炉を導入したが二酸化炭素は出てしまう」と苦笑していました。

 「全社員一人一人に会社の方針が徹底できているかが気がかり」と語る社長さんですが、受付カウンターをはじめ、いたるところにカラー刷りの「取り組み項目」が貼られていて、いつでもどこでも目に入るようになっていました。(藤田)

写真: 工事現場
工事現場はいつもきれいに整理整頓
写真: 焼却炉と社長
焼却炉と社長

 

 スイゲンゼニタナゴが国内希少野生動植物種に

 スイゲンゼニタナゴが、9月1日から「種の保存法」の「国内希少野生動植物種」に指定され、保護対策が強化されることになりました。これにより、捕獲や譲渡が禁止され、違反者は1年以下の懲役または100万円以下の罰金になります。

 スイゲンゼニタナゴは、タナゴの仲間のうち、最も小型の種類で、国内では岡山県と広島県の南部だけに点々と分布しています。イシガイ、マツカサガイなどの二枚貝に卵を産み付けますが、最近の水路改修工事などで二枚貝のすむ環境がなくなり、急速に数が減りました。あわせて、観賞魚業者などによる乱獲も減少に拍車をかけ、絶滅が危惧されています。

 岡山は全国的にも淡水魚種の多い地域です。岡山平野の自然の豊かさを代表するスイゲンゼニタナゴと、それを育む環境をみんなで守っていきましょう。

写真: スイゲンゼニタナゴ
スイゲンゼニタナゴ

 

目次へもどる前のページへもどる次のページへすすむ