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ついに走る!
いよいよ試運転ですが、危険だということでなかなか警察の許可がおりず、やっと決まった日取りは5月7日。コースは山羽の工場近くの指定された道路から、依頼主の森の家までとされました。
現在の表町から京橋、中橋、小橋を渡り、旭川土手沿いを南に下り、三幡までの約10キロです。当日はコースの主要地点に警察官が立ち、沿道は、ひとめ自動車を見ようという人々でたいへんな騒ぎだったそうです。出発は午前9時。山羽の運転により轟音とともに発進。時速は10〜15キロでした。
順調なスタートでしたが、京橋にさしかかったところで停車。山羽によると、「タイヤの取り付けをボルト締めにしたが、その締めたあたりが走れば走るほど膨れだした。円形のタイヤはデコボコに変形し、京橋の傾斜が登れなかった」そうです。また、タイヤのゴムがすぐにはずれて、針金でゆわえて応急処置をしながら走ったことなど、この試運転のようすについては、さまざまなエピソードが伝えられています。
The Lit City Museum