岡山市大崎にある。足守川中流域の東岸山裾部に位置し、平野部からの眺望は非常に良い。発掘調査はおこなわれていないが2つの土壇が残されており、建物基壇と考えられる。付近は水田であり、現状では寺院の遺構が良好に埋没しているものと推測される。
採集されている軒丸瓦のなかには下端部がとがった「水切り」をもつものがあり、同様の瓦が分布する備後との密接な関係も指摘されている。また、飛鳥時代の軒丸瓦もあり、当寺が吉備最古の寺の1つになる可能性がある。
大崎廃寺の北側山塊には、知足院古墳などの後期古墳が50基前後集中している。なかには寺院と時期的に平行する終末期古墳も含まれている可能性が高く、古墳づくりから寺づくりへ変換する様子を示している。
 |
JR「高松駅」下車、徒歩30分。
JR高松駅→備中高松城跡→大崎廃寺→知足院古墳→小盛山古墳→坂古田堂山古墳→備中高松駅の一日散策コースもおすすめである。 |
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玉井伊三郎・藤沢一夫『吉備古瓦図譜』第弐輯 1940年
岡本寛久「「水切り瓦」の起源と伝播の意義」『吉備の考古学的研究(2)』山陽新聞社 1992年 |
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