岡山市中区にある高島地区は、旭川や百間川が流れ、水と緑にかこまれた豊かな自然環境が広がり、多様な生きものたちがすんでいます。なかには、アユモドキなどの貴重な生きものも生息しており、地域の人々によって保護活動や環境保全活動が行われています。
また高島地区は岡山市中心部からアクセスしやすいところにあり、週末を家族や友達と過ごすのにぴったりなエリアです。高島地区の豊かな自然の中で大きく深呼吸しながら、自然の素晴らしさを体感してみませんか?
岡山市中心部から気軽にアクセスでき、ハイキングを楽しむのにぴったりな「龍ノ口グリーンシャワーの森」。
ゆるやかな道が整備されていて、小学校の遠足でも利用されています。
特におすすめが新緑の季節!鳥のさえずりを聞きながら、すがすがしいひとときを過ごすことができます。また龍ノ口山山頂からは岡山市内を一望でき、冬の晴れた日には、瀬戸内海の島々まで見渡せることもあります。
「龍ノ口グリーンシャワーの森」を守る会の事務局員大橋弘司さん
岡山市内を一望できる龍ノ口山山頂からの眺め
気軽に楽しめるハイキングコース
道を歩いていると、古墳と出会えることも
そんな龍ノ口グリーンシャワーの森の維持・管理を行っている「『龍ノ口グリーンシャワーの森』を守る会」(以下、守る会)。
一時は廃園寸前だった龍ノ口グリーンシャワーの森を、「なんとか守りたい!美しい自然環境を残したい!」という想いから、2010年(平成22年)に、事務局員の大橋弘司さんを中心に守る会を結成。パトロールやトイレそうじなど、龍ノ口グリーンシャワーの森の維持・管理活動を中心に行っています。
また守る会のメンバーが先生となり、季節に合わせて野鳥の観察会を開催したり、豊かな自然環境を活かしたワークショップを行ったりしています。
ワークショップでは、参加者がつたや木の実、落ち葉を集めてリースを作るなど、自然の中で過ごす気持ちよさや楽しさを味わえるので、親子連れにも人気なのだそうです。
また大橋さんは守る会だけでなく、「高島・旭竜エコミュージアム※」やホタルの保護など幅広く活動しています。
活動に参加する子どもたちに自然を守る大切さや、木の根を傷つけない道の歩き方といった豆知識も伝えているそうです。
「子どもたちには、身近な自然環境について『知る』ことから始めてほしいですね。知っていく中で、環境を守るためにどこに気をつけて行動すればいいか、考える力が身について自然と意識や行動が変わっていくんですよ」とお話されました。大橋さんの想いが子どもたちに伝わり、さらには地域で暮らす人々に環境を大切にする心が広がっていくのでしょう。
「岡山市中心部からアクセスできるところで、自然にふれてみたい!」。
そんな方にぴったりな龍ノ口グリーンシャワーの森。天気の良い日に出かけてみませんか?
※高島・旭竜エコミュージアム:地域の人々が自分の暮らす土地の素晴らしさを見直し、豊かな環境を未来へつないでいくため、高島公民館を中心として様々な活動に取り組んでいます。詳しくは高島・旭竜エコミュージアムのウェブサイト別ウィンドウで開くをご覧ください。
森林浴を楽しんだ後は、山頂広場から龍之口八幡宮まで足を伸ばしてみましょう!
受験の神様として有名な龍之口八幡宮。戦国時代には、戦のとりでがおかれたといわれています。社殿からは、旭川に沿って広がるまちなみや美しい山々を望むことができます。
(住所:岡山市中区祇園996[地図])
龍之口八幡宮にお参りした後は、南展望広場から賞田廃寺跡を通って、雄町の冷泉を目指してみましょう。歩いて35分くらいかかるから、途中にある高島公民館で、アユモドキをながめながらひと休みしてもいいかも!
「高島公民館」の取り組みはこちら
旭川の下層を流れる地下水がわき出ている雄町の冷泉。古くから岡山で暮らす人々の生活を支え、江戸時代には岡山藩の御用水として使われていました。その長い歴史と、雄町米※1をつくるのにかかせない良好な水質から環境省の名水百選別ウィンドウで開くに指定されています。※2
雄町の冷泉から歩くこと約5分。「おまちアクアガーデン」は、雄町の冷泉を守り、水を大切にする市民の心を育てるため、1997年(平成9年)に開園しました。この公園には、水を活かした楽しいアスレチックや、サイホンで汲み上げられた水が涼やかに時を刻む水時計が置かれています。
また公園内にある水汲み場では、自由に水を持ち帰ることができます。※
現在、日本の岡山県と京都・亀岡市の川に生息するアユモドキ。1977年(昭和52年)に国の天然記念物に指定され、岡山市でも高島地区や瀬戸地区を中心に、保護活動が活発に行われています。
2010年(平成22年)より高島小学校では、5年生が授業の一環でアユモドキの人工繁殖を行っています。
人工繁殖を通じて学んだことをもとに、アユモドキの生息数が減少した原因や、現在絶滅の危機に瀕している動物などについて調べ、自分にできることは何か生徒たちで考えたことを発表しています。
発表では、紙芝居でアユモドキが生息できる環境の条件などについて伝えたり、ポスターで数十年前と現在の水環境を比較し、アユモドキが減った原因などについて伝えたりしました。そして子どもたちは最後に、「ゴミを川に捨てない」・「外来種を川に放さない」などのアユモドキを守るためにできることを発表しました。
授業を通じて子どもたちは、アユモドキの生態やアユモドキが生息できるような身近な自然環境を守る大切さを学んでいます。
高島公民館では、「地域の人に親しみを持ってもらい、地域ぐるみでアユモドキを見守っていきたい!」という想いから、人工繁殖したアユモドキを飼育し、その様子をUstream※で配信しています。またアユモドキや環境に関する講座も開催しており、豊かな自然環境を守る地域づくりも進められています。興味のある方はぜひ参加してみてください!
(高島公民館・住所:岡山市中区国府市場99-5 [地図])
※高島公民館のウェブサイトでアユモドキのUstreamを配信しています。詳しくは高島公民館のウェブサイトをご覧ください。
歴史・文化に触れるまちなかESDスポットめぐりその1・その2
住所:岡山市北区